こんにちは、クロノジャーニーのmomomoです。私が持っているブライトリング(Breitling)のナビタイマー(Navitimer)B01 41は、文字盤の上部にブライトリングのBではなく、金色に光るAOPAのロゴが付いています。1952年にパイロットの団体から依頼されて生まれた、という出自がそのまま文字盤に出ているわけです。
この時計は、1952年の原型と同じ41mmの寸法を選んだ一本でもあります。遠目には白く見えて近づくと表情が変わる文字盤、腕の曲線に沿う7連ブレスレットは、満足している点です。
が、硬いプッシャー、小さなリューズ、3気圧の防水、控えめな夜光の4点は、正直に不満として書きます。使ったことのない回転計算尺の話も含めて、良いところも後悔も隠さない所有記としてお読みください。
- ナビタイマーの成り立ちと41mmの意味
- B01 41を4つの柱で見た所有レビュー
- 硬いプッシャーなど後悔しやすい点
- 41mmと43mmの選び方と買い方
- 1952年原型と同じ41mmの寸法が細腕に合う人
- 遠目は白で近づくと質感が変わる文字盤を長く眺めたい人
- 計算尺を使わなくても航空計器の歴史に価値を感じられる人
- 硬いプッシャーと小さなリューズが気になる人
- 暗い場所で夜光だけを頼りに時刻を読みたい人
- 水に触れる場面でも着けたい人(3気圧防水)
| 判断軸 | 評価 |
|---|---|
| 価格 | 公式表示は130万円台後半〜140万円台前半(2026年10月時点の参考値) |
| 装着感 | 41mmは細腕に合い、7連ブレスの腕乗りが良い(筆者の手首での印象) |
| 維持費 | 公式の推奨は2年ごとのメンテナンスと4〜6年ごとのオーバーホール |
| 資産価値 | 相場の推移は別記事に任せ、本記事は公式価格の確認まで |
| デザイン | 遠目は白で近づくと質感差、ゴールド針と赤の差し色が効く |
| ブランド性 | AOPAの依頼から生まれた1952年起源のパイロットウォッチ |
ナビタイマーとは?1952年生まれの航空計算機

ナビタイマーはAOPAの依頼から生まれ、原型は41mmの時計でした。この章では誕生の経緯、41mmという寸法の意味、現行ラインのサイズとキャリバーの違いを順に見ていきます。
AOPAの依頼で生まれた回転計算尺の時計
ナビタイマーは、1952年にAOPA(航空機オーナーおよびパイロット協会)がウィリー・ブライトリング(Willy Breitling)へ、会員向けのクロノグラフを依頼したことから生まれた時計です。ウィリーは1940年代のクロノマットに載せていた対数計算尺を航空用に改良し、回転ベゼルへ収めました。一般向けの発売は1955年末で、依頼・開発が1952年、製造が1954年、発売が1955年という順になります(出典:ブライトリング公式『ナビタイマー』の歴史)。
EMIRIAOPAって、そもそも何ですか?



航空機のオーナーとパイロットの協会です。その会員が操縦中に使う道具として、クロノグラフに計算尺を載せてほしいと頼んだわけです。
回転計算尺で解けるのは、平均速度、飛行距離、燃料消費量、上昇・下降率、そしてマイルとキロメートル・海里の換算です。当時はこうした計算に対数計算尺が必要で、それをクロノグラフと一緒に手首へ載せたことが、この時計の発明でした。
私のナビタイマーの文字盤には、Bではなく金色のAOPAのマークが付いています。電卓などがない時代に、この計算尺が実際に航空機の操縦に関わる計算へ使われていたと聞くと、コンピューターを腕に載せているようなロマンを覚えます。
ブライトリングの時計の中でも、回転計算尺を備えたモデルは唯一無二だと感じます。ナビタイマーという名前が、航空(ナビゲーション)とタイマーの組み合わせであることにも、この時計の出自が表れています。
原型と同じ41mmという寸法


1952年の原型は、黒い文字盤の直径41mmでした。当時の腕時計としては大きな部類でした。ケースの直径は1969年以降に大きくなり、現行ラインは32mm、36mm、41mm、43mm、46mmの展開で、主力は43mmと46mmです。
私の手元のB01は41mmなので、大型化の歴史を巻き戻した寸法という見方ができます。原型と同じ直径の時計を、自社製のB01で着けられるのです。
実際に着けてみると、41mmは私の細腕にちょうどいい大きさです。ほかのナビタイマーは大振りな印象が私にはあり、43mmや46mmが並ぶ現行ラインの中では、手のひらに載せたときのこぢんまりした姿が余計に印象に残ります。
この寸法が好ましいのは、数字の小ささよりも、原型と同じ直径であるという来歴が手首の上で腑に落ちるからです。写真のとおり、手のひらにすっぽり載る寸法感で、細い手首に載せても文字盤の情報量が負けません。
詳しい装着感は後の章に回しますが、41mmという寸法は、ナビタイマーの選び方で最初に考える軸になります。手首の細さだけで決めるのではなく、原型の寸法を選ぶのか、現行の主力の寸法を選ぶのかという視点を持っておくと、店頭での迷いが減ります。
現行のサイズとキャリバーの違い
さて、現行ラインに話を移します。2022年にナビタイマーは41mm、43mm、46mmで刷新され、AOPAの翼が12時に復帰し、計算尺はフラットになり、風防はドーム型になったと公式が挙げています。私の個体がこの世代かどうかは断定せず、2022年版の特徴として公式が挙げる点を押さえておいてください。
搭載されるキャリバーは、モデルによって違います。2026年10月時点で、日本公式のコレクション一覧に41mmの手巻きB09が加わっていることも確認できます。
| キャリバー | 巻き上げ | 特徴 |
|---|---|---|
| B01 | 自動巻 | 自社製。28,800振動/時、約70時間、47石、COSC認定 |
| B09 | 手巻 | 41mmのモデルに搭載 |
| B02 | 手巻 | Cosmonaute(24時間表示)専用 |
| B19 | — | 永久カレンダーを搭載 |
B01は2009年にブライトリングが初めて自社製造したクロノグラフ用のキャリバーで、私の個体にも載っています。Cosmonauteは、1962年にスコット・カーペンターが特注した24時間表示の時計が出発点です。



B09って、B01と何が違うんですか?



自動巻と手巻の違いが最も大きい点です。ここでは選択肢として押さえ、41mmと43mmの選び方は、後の章で公式の数値を並べて比べます。
ナビタイマーB01 41を4つの柱で所有レビュー


私が所有するB01 41を、機構の解体・匠の美学・メゾンの遺産・生涯の伴侶という4つの柱で見ていきます。冒頭の結論BOXと判断軸表の根拠を、機構、デザイン、装着感、計算尺、日常使い、維持費の順に示します。
機構の魅力:B01と裏スケの眺め


B01は、コラムホイールと垂直クラッチを備えた自社製のクロノグラフ用キャリバーです。自動巻で28,800振動/時、パワーリザーブは約70時間、47石、COSC認定を取得しています。裏蓋はねじ込み式のサファイアで、そこから機構をじっくり眺められます。
私の手元のB01の裏スケを覗くと、自動巻のローターにブライトリングのロゴが入り、テンワとひげゼンマイが動く様子が見えます。ローターの周囲にコート・ド・ジュネーブ仕上げの板がありますが、面積は最小限で、外周は内部の機構がそのまま見えています。裏スケを見たままクロノグラフを動かすと、クラッチが切り替わる動きまで観察できます。
回転ローターの動きは、手持ちのブランパン(Blancpain)のフィフティ・ファゾムス バチスカーフの金のローターに比べると、スムーズさがやや劣る印象です。が、しっかりとメカメカしくデザインされていて、満足感は高いです。
クロノグラフ針の動きも、私は好きです。クロノグラフの秒針が1分で一周するたびに、30分計がぴょこっと1目盛り進みます。クロノグラフ一般の理屈としては、1分ごとに積算計の歯車が瞬時または半瞬時に1歯分だけ送られ、その位置をジャンパーが保持します。
私はこのように認識しています。ここに書いたことが必ずしも絶対的に正当なものとは限らないということを、ご了承ください。
デザイン:白に見える文字盤の奥行き


遠目には、普通の白い文字盤に見えます。近づくと、ディテールとテクスチャが隠れているのがこの時計の面白さです。
回転計算尺のベゼルはオフホワイトで、文字盤のシルバーとぱっと見の色味が近く、その中でペイントの白とメタルのシルバーという異なる質感が並んでいます。それぞれの光沢が違うので、近い色の中に複雑な表情が紛れています。
私の文字盤は、少しマットで上品なメタリック光沢があり、「シルバー」という言葉から想像する質感とは違います。色名は公式の表記ではクリーム、販売店の表記ではシルバーと割れていますが、私の感覚では白に近いシルバーです。3つのインダイヤルはそれぞれ同心円状のエンボスが入り、少し面落ちしたラインから内側へ向かう緩やかなテーパーで縁取られています。
ゴールドの針とインデックスは、シルバーとオフホワイトの文字盤に、もうひとつ豊かさを加えます。クロノグラフ針と計算尺の一部に、ポイント的に置かれた赤が差し色で、この赤で文字盤全体が引き締まって見えます。
この文字盤は、SNSで同じブライトリングのモンブリラン(Montbrillant)に似ているという指摘を受けたこともあります。私はそのモデルを知らなかったのですが、調べてみると、確かにそう見えました。
妻からは、文字盤に細かい文字や計器のようなディテールが多く、理系っぽく知的に見えると言われています。原型は黒い文字盤で、限定モデルには別の色もありますが、ここでは私の手元の一本に絞って書きました。
7連ブレスと41mmの装着感


7連ブレスレットと呼ばれるこのメタルブレスは、磨きとマットの仕上げが列ごとに交互に並び、真ん中のポリッシュ部分が少し細いラインになって、ブレスに3本の線が走って見えます。コマ同士の継ぎ目は斜めにカットされていて、これも他の時計ではあまり見ない表情です。ラグから3コマ目までは緩やかなテーパーがかかり、シャープで洗練された印象になっています。
コマが細かいので動きが滑らかで、腕のカーブに重力だけでフィットします。メタルなのにまったく硬さを感じず、テーブルにペタッと平らに寝かせることもできるほど、可動範囲が広いです。バックルは折りたたみ式でワンタッチで開閉でき、ブライトリングのBのロゴが入っています。



メタルブレスって、重くないですか?



数字よりも感覚の話になりますが、腕に載せると重力だけで沿ってくれるので、金属の硬さが気になりません。
ケースの厚みは公式で13.6mmありますが、意外と気になりません。ベゼルが全体の厚みの4分の1ほど、裏蓋も盛り上がっていて4分の1ほどを占めるため、横から見えるケースの縁は残り半分ほどです。私の持論は、そのせいで実際より薄く見えるのではないか、というものです。
ステージマジックのイリュージョンの大道具にも似た構造ですが、いえ、13.6mmが薄い時計だと言うつもりはありません。同じモデルを着けている女性を街で見かけたこともあり、41mmが男性だけの寸法ではないことは、その場で実感しました。
回転計算尺は使わなくても価値があるか


使った回数は、ゼロです。回転計算尺はナビタイマーのアイコンで、実際に計算に使える手動コンピューターですが、私はまだ一度も使っていません。
公式が挙げる用途は、平均速度、燃料消費、単位換算といったものです。それでも、計算は電卓のほうが便利だと言い切れます。
さて、ここから歴史の話になります。私は建築の現場や設計の経験があり、回転ではない直線タイプの計算尺なら見たことがあります。
数十年前は、建築の仕事で実際に使われていたのでしょう。航空業界も同じだったと思われます。
その計算尺を腕時計の中に納めたのは、携帯性という意味で画期的なアイデアでした。パイロットは両手が塞がっていて、バッグを取り出すのも簡単ではなかったでしょうから、手首に載せる価値は大きかったと想像します。
あえて言い切ると、計算尺は実用に払う対価ではなく、物語に払う対価です。実際に使えなくても、先人の苦心と歴史の結実が文字盤に載っているという事実が、所有欲を補完してくれます。
2022年版では計算尺がフラットになりましたが、使わない目盛りであることに変わりはなく・・・私にとっては、眺めて楽しむための目盛りです。ナビタイマーを買う方は、計算尺を使いこなす自分を想像するより、使わなくても嬉しいかどうかを自問してみると、後悔が減ると思います。
日常使い:ドレスにも行列の店にも


小径で、遠目にはオフホワイトの文字盤に見えるため、この時計は落ち着いた外観をしています。メタルブレスのモデルは比較的ビジネス向きですが、この一本は計算尺もシルバーとは違うオフホワイトで、ぱっと見では同じ色味に収まります。
派手な時計というイメージにはならず、ビジネスや多少フォーマルな場でも問題なく使えます。シャツの袖口からのぞかせても、違和感はありません。



クロノグラフって、日常で使うんですか?



なかなかありません。ただ、一度だけ、行列のラーメン店で使ったことがあります。
かなり行列ができている人気のラーメン店で、お客さん一組が席に着いてから食べ終わって出るまでの時間はどのくらいか、という話題になりました。パートナーと一緒に、任意のお客さんの時間と自分たちの時間を測ってみたのです。
他のお客さんの時間はクロノグラフで、自分たちの時間はスマホで測りました。結果は、だいたい同じぐらいの時間でした。
普通に時間を測るだけなら、スマホで十分です。クロノグラフが少し役に立つのは、それと並行して別のラップを測りたいときくらいでしょう。
いずれにしても趣味優先の世界ですが、フォーマルな場とラーメンの行列という両極の場面に、同じ時計で行ける融通は、この時計の日常使いの強みです。腕元を少し気にするような席でも、行列で待つ間にタイマーを回してみる場面でも、ナビタイマーは場の空気を邪魔しないまま、クロノグラフとしての役割をそっと果たしてくれます。
維持費とオーバーホールの目安
ブライトリングが公式に推奨するサービスの周期は、メンテナンス・サービスが2年ごと、コンプリート・サービス(オーバーホール)が4〜6年ごとです。防水検査は毎年の実施が推奨されています。防水を保つパッキンは経年で劣化するため、3気圧という数字を保つなら、検査の習慣が必要になります。
正規のオーバーホール料金の目安は、販売店の記事で報告されています。ある販売店は、標準が143,000円、クラブ・ブライトリング会員が71,500円(税込・2022年5月の調査)と伝えています。別の販売店は、会員で71,500円から、非会員で143,000円からと案内していて、2024年8月に更新されています。
公式の料金表で示せる金額ではないため、これらは販売店の報告として読んでください。実際の費用は、型番や状態で変わります。購入前に型番を伝えて、正規サービスで見積もりを取るのが、最も確実な確かめ方です。
維持費の結論は、長く使うなら周期ごとの費用をあらかじめ見込んでおくことです。2年ごとのメンテナンスと4〜6年ごとのオーバーホールを前提に予算を組むと、あとから慌てずに済みます。
検証日:2026年10月
本記事の価格・相場は執筆時点(2026年10月時点)の参考値です。為替・市況により変動するため、購入・売却の判断は最新情報をご確認のうえ行ってください。
Chronos Journey Score
ここまでの体験をもとに、B01 41を6項目・5段階で採点します。筆者が実際に購入して使っている個体なので、評価種別は長期使用評価です。
評価語を並べる前に、採点の理由を一言ずつ添えます。本文で書いた体験と食い違わないよう、各項目の一言は、前の章までに登場した事実だけを使っています。
Chronos Journey Score:ナビタイマー B01 クロノグラフ 41
| 機構の魅力 | ★★★★☆ | 自社製B01と裏スケで見えるクラッチの動き。ローターの回転はやや軽い印象 |
|---|---|---|
| デザインの完成度 | ★★★★★ | 遠目は白、近づくと質感差。ゴールド針と赤の差し色 |
| 日常使い | ★★★★☆ | ドレスにも使え腕乗りが良いが、プッシャーとリューズの操作性は課題 |
| 維持費の現実性 | ★★★☆☆ | 公式周期は2年/4〜6年、販売店報告の標準料金は143,000円 |
| リセール・資産性 | ★★★☆☆ | 本記事は定価と改定の事実にとどめ、相場の動きは別記事に委ねるため中位 |
| 所有満足度 | ★★★★★ | 裏スケとロゴへの満足感が高い |
| 総合 | 4.0 / 5.0 | — |
本スコアは筆者が実際に購入・長期使用した経験にもとづく評価です(検証日:2026年10月)。
総合は4.0です。デザインと所有満足度が満点で、維持費とリセールが中位にとどまったのは、費用の見込みと相場の判断を、購入前に自分で詰める必要があるからです。
後悔しやすい点は、次の章で3点に分けて書きます。点数が高くても不満は残る、という所有記ならではの温度差を、そのまま受け取ってください。
ナビタイマーで後悔しやすい点と向かない人


ここからは、公式の説明と所有者の体験の差を隠さずに書きます。後悔しやすい3点を、操作系、防水、夜光の順に書き、最後に向かない人の条件を整理します。
後悔ポイント:硬いプッシャーと小さなリューズ


クロノグラフのプッシャーは、結構硬いです。初めて押したとき、何かが引っかかっていて押せないのかと思いました。
ブティックの方から「もっと強く押してください」と言われて、そのとおりに押すと、確かに硬いながら押せました。ボタンが細いので、押すと指に食い込む感じもあります。



慣れれば、気にならなくなりますか?



慣れることはありますが、硬さそのものが消えるわけではありません。
公式は、B01のクロノグラフを精密で滑らかな操作の機構として説明しています。が、私の指には、精密であることと軽いことは別の話に感じられます。
時計店のイベントで、タグ・ホイヤー(TAG Heuer)のモナコ エバーグラフの説明を受けて実機に触れましたが、エバーグラフの特徴のひとつがプッシャーの軽い押し心地とのことでした。それに比べると、ナビタイマーは昔ながらの硬いプッシャーです。
リューズも小さく、正直、回しにくいです。汗をかくと、あるいは指先が湿っていると、この小さなリューズは私には回せません。リューズの頭にはブライトリングのBのロゴが彫られていますが、パイロットの手袋をはめたままでは操作できないだろうと思います。
弱点を美点で薄める気はありません。クロノグラフを頻繁に押す人や、指先の力が弱い人は、購入前に店頭で実際に押してみてください。
3気圧防水と回転ベゼルの付箋実験
ナビタイマーの防水は3気圧(30m)で、リューズはねじ込み式ではありません。裏蓋はねじ込み式のサファイアですが、防水検査は毎年の実施が推奨されています。
ぱっと見では分かりにくいので、風防に付箋を貼って確かめてみたことがあります。手順は次のとおりです。
- 風防に付箋を貼る
- 回転ベゼルを回す
- 付箋の動きを見る
結果は、ブランパンのフィフティ・ファゾムス バチスカーフでは付箋が動かず、ナビタイマーではベゼルと一緒に風防のサファイアクリスタルも回りました。私が書けるのは、この結果だけです。
構造について推測を重ねるつもりはなく、手元で見た事実をそのまま書き留めておきます。ナビタイマーとバチスカーフを持つ私の場合、同じ回転ベゼルでも、触れたときの印象が全く違うことは確かでした。



付箋、ですか?



実験とも呼べないほど簡単ですが、回転ベゼルの時計を手にしたら、一度やってみる価値はあります。
3気圧は、少し心配・・・というのが正直な気持ちです。そのため、私は水に触れない晴れた日のお供として使っています。雨の日や、手洗い、水仕事の場面では、外しておくのが安心です。
ナビタイマーの防水がどの程度かという問いへの、私の答えは、3気圧という数字を踏まえて水に触れない運用にする、ということです。毎年の防水検査と、水に近づかない習慣の2つを、購入の時点で費用と手間として見込んでおくと、後から心配だけが膨らむことはありません。パッキンの経年劣化は、使っていなくても進みます。
夜光は控えめという割り切り


時針と分針が細いこともあり、夜光塗料は控えめです。バーインデックス全体ではなく、先端の点のような短い部分にだけ夜光が置かれています。暗闇で夜光だけを頼りにすると、正直、読み取りやすいとは言えません。
ゴールドの針とインデックスは、黒い文字盤に比べると視認性が少し落ちますが、上品な表情の代わりと割り切っています。この上品な顔にしっかり夜光を配置してくれているだけでも、デザインとしては良いものです。夜に時刻を読む場面が多い人は、この点を覚悟しておいてください。
ここまでの後悔を、向かない人の条件に整理しておきます。
- 暗い場所で夜光だけを頼りに時刻を読みたい人
- 手袋や汗でリューズを回す人
- 硬いプッシャーが苦手な人
- 水に触れる場面でも着けたい人
随分と偉そうに書きましたが、これらはすべて私の使い方の中での話です。他の人にとっては、気にならない点かもしれません。
なお、本記事の後悔は、実用と仕様の面に限っています。他の人からどう見られるか、年代別に似合うかどうかは、ブライトリングを着けた人がどう見られるかで詳しく書いています。
ナビタイマーの選び方と賢い買い方


ここからは選び方と買い方の話です。41mmと43mmを公式の数値で比べ、代替候補、買い方、価格の現状を順に見たうえで、最後にナビタイマーが生涯の伴侶になり得るかを考えます。
41mmと43mmの選び方を公式数値で比較
公式の数値で並べると、41mmと43mmの差は、直径2mmだけです。厚さ、ムーブメント、防水は同等で、どちらも自社製B01を搭載しています。比較用に同じ条件にそろえた2本を並べますが、私の所有個体とは別の仕様です(出典:ブライトリング公式『ナビタイマー B01 クロノグラフ 41』)。
| 項目 | 41mm | 43mm |
|---|---|---|
| 直径 | 41mm | 43mm |
| 厚さ | 13.6mm | 13.69mm |
| ラグ幅 | 22mm | 22mm |
| ムーブメント | 自社製B01(自動巻・約70時間・28,800振動/時・47石) | 同左 |
| 防水 | 3気圧(30m) | 3気圧(30m) |
| 風防 | ドーム型サファイア | ドーム型サファイア |
| 税込価格(2026年10月時点) | 1,369,500円 | 1,391,500円 |
手首の周囲を測って割り切る選び方は、おすすめしません。ブティックのブログを見ても、手首周りが同じ程度の人に41mmを勧める店と、43mmでも違和感がないとする店があり、基準は店舗ごとに揺れています。売れ筋のサイズも、店舗によって41mm派と43mm派で割れています。



手首が細くても、43mmで大丈夫ですか?



43mmは私が着けた経験のないサイズなので、着け心地を保証できません。店頭で41mmと並べて試すのが確実です。
私は41mmしか持っていません。所有者の手首での印象として言えるのは、細腕には41mmがちょうどよく、ブレスの腕乗りの良さと合わせて、手首の収まりに満足している、ということです。
検証日:2026年10月
本記事の価格・相場は執筆時点(2026年10月時点)の参考値です。為替・市況により変動するため、購入・売却の判断は最新情報をご確認のうえ行ってください。
モデル選びに迷ったら、まず診断で候補を絞るのが近道です。
代替候補:ナビタイマーと比べたい時計
ナビタイマーの兄弟から見ていきます。同じ41mmで手巻きのB09は、自動巻の機構にこだわらない人の選択肢です。24時間表示のCosmonauteは、B02を搭載した手巻のモデルで、41mm、パワーリザーブ約70時間、3気圧、厚さ13mmで、ツインジェットのロゴが付くという特徴があります。
1962年にスコット・カーペンターが特注した時計が、そもそもの出発点でした。ナビタイマーの派生とはいえ、24時間表示という点で、まったく違う個性を持った時計です。
ブライトリングの別ラインでは、クロノマットが同じ自社製B01を載せる兄弟です。ムーブメントを重視して選ぶなら、比較の対象になります。ここは文中の言及にとどめますが、同じキャリバーを載せる別の顔として、ショーケースで見比べると発見があります。
他のブランドと比べるなら、タグ・ホイヤーが比較の定番です。ブランド格や価格、年齢層の比較は、ブライトリングとタグ・ホイヤーのブランド比較で判断軸を並べています。プッシャーの軽さの話は前の章で済ませたので、ここでは繰り返しません。
初めての高級機械式として選ぶ30代の方は、「この年齢で選んで大丈夫か」という迷いを抱えがちです。その点は、30代でブライトリングを選ぶ是非で詳しく書いています。



次の一本として他のブランドも見ていますが、妥協して買い直すことになりませんか?



自動巻を求めるならB01、手巻の機構を楽しむならB09やCosmonaute、ブランドの個性で選ぶならタグ・ホイヤーと、誰に向くかを切り分けると、買い直しの不安は減ります。
買い方の選択肢:正規店・中古・並行輸入
ナビタイマーの買い方は、正規店、中古、並行輸入、レンタル、買取(売却)の5つに分けられます。購入可否や在庫は、型番と店舗によって異なります。そのため、来店予約の際に型番を伝えて、在庫を聞くのが確実な動き方です。
日本公式の製品ページは、2026年10月時点で来店予約のみの案内です。購入ボタンがないので、気になる型番を決めてから、予約を入れましょう。正規店で買う場合は、保証書の期間と対象を、購入時にその場で確かめておくと安心です。
中古で買う場合は、保証付きの店で、型番と付属品を確かめるのが基本です。2026年1月に価格改定があり、新品の表示価格が上がったため、中古で一段安く入る道は、以前より現実味を帯びています。並行輸入は、国内正規の保証対象外になる場合があるので、保証の扱いを買う前に必ず確認してください。
レンタルについては、B01 41のブレスレット仕様を借りて試せるとは限りません。ブライトリング公式のサブスクリプションは、2022年2月時点でB01搭載機とブレスレット仕様が対象外でした。現行の条件はサービスごとに違うので、借りる前に取り扱い機種を確かめましょう。
【買い方表】
– 正規店|日本公式の製品ページは来店予約のみ(2026年10月時点)。型番を伝えて在庫を聞き、保証書の期間と対象を購入時に確かめる
– 中古|保証付きの店で型番と付属品を確かめる。2026年1月の価格改定で新品が上がったため、一段安く入る導線になる
– 並行輸入|国内正規の保証対象外になる場合がある。保証の扱いを購入前に確かめる
– レンタル|B01 41のブレスレット仕様を借りられるとは限らない。公式サブスクは2022年2月時点で対象外だった
– 買取(売却)|相場は次の章と別記事で扱う。購入可否は型番・店舗で異なる
初めてなら、正規店で保証を確かめるのが安心です。予算を抑えたいなら、保証付きの中古という選択肢があります。
価格と資産性の現状
公式の表示価格は、ブレスレット仕様でクリーム文字盤の41mmが税込1,435,500円です(2026年10月時点・日本公式)。これは執筆時点の公式表示で、私が購入したときの価格ではありません。
前の章で見た比較用の41mmは1,369,500円でしたので、仕様ごとに表示価格が異なることが分かります。この価格は、公式の製品ページが来店予約のみの案内である点とあわせて、頭に入れておいてください。
2026年1月には、価格改定がありました。改定の率や旧価格にはここでは触れませんが、新品の入口の価格が動いた事実は、購入時期を考えるうえで押さえておきたい点です。



結局、資産になるんですか?



本記事では、公式価格の確認までにとどめます。相場の推移やリセールの話は、別の記事で詳しく書いています。
価格は、購入した時点の表示価格が基準です。私が書ける範囲は、2026年10月時点の公式の表示価格と、2026年1月の改定という事実までです。価格を見る順番としては、まず公式の表示価格を確かめ、そのうえで中古の店頭価格を見ると、新品との差がつかみやすくなります。
時計の価格は、改定の前後や仕様の違いで見え方が変わるので、同じ条件の2本を比べる習慣が役に立ちます。リセールの動きを知りたい方は、ナビタイマーの相場の推移と将来性をお読みください。
検証日:2026年10月
本記事の価格・相場は執筆時点(2026年10月時点)の参考値です。為替・市況により変動するため、購入・売却の判断は最新情報をご確認のうえ行ってください。
よくある質問
Q. ナビタイマーの41mmと43mmで迷ったら、手首や使う場面でどう選べばよいですか?
公式の数値で差があるのは直径2mmだけで、厚さ、ムーブメント、防水は同等です。私の細腕には41mmがちょうどよく、43mmは着けた経験がありません。手首の細さが不安なら、店頭で41mmと43mmを並べて試着し、腕乗りを見比べるのが確実です。
Q. ナビタイマーの回転計算尺は日常で使いますか?使わなくても後悔しませんか?
日常ではほとんど使いません。私は一度も使っていませんが、後悔はありません。計算は電卓のほうが便利でも、計器の歴史を手首に載せる物語に価値を感じられるなら、使わない計算尺も所有欲をしっかり満たしてくれます。
Q. ナビタイマーB01は3気圧防水ですが、普段使いで気をつけることはありますか?
3気圧(30m)は、水に触れない運用が基本の数字です。私は付箋実験の結果も踏まえ、晴れた日のお供と割り切っています。防水検査は毎年が推奨なので、雨の日や手洗い、水仕事の場面では外し、検査を欠かさないようにしてください。
Q. ナビタイマーで後悔しやすいのはどんな人ですか?向かない人の条件を知りたいです
向かないのは、暗い場所で夜光だけを頼りに読みたい人、手袋や汗でリューズを回す人、硬いプッシャーが苦手な人、水に触れる場面でも着けたい人です。この4条件のどれかに当たるなら、購入前に店頭で必ず試してから決めてください。
ナビタイマーは生涯の伴侶になり得るか
41mmのB01は、1952年の原型と同じ寸法で、AOPAの金のロゴと、自社製B01の裏スケと、腕に沿うブレスレットを備えた時計でした。使わない計算尺、硬いプッシャー、3気圧、控えめな夜光という不満も、ここまで書いてきたとおりです。



不満を知ったうえで選ぶなら、ナビタイマーはよい伴侶になります。弱点まで含めて好きになれるかどうかが、決め手です。
実は私、文字盤にBのロゴがないぶん、Bのロゴが尾錠とリューズにしかないと気づいたとき、妙に嬉しくなりました。しっかりと、ブライトリングの名作を所有しているという満足感があります。裏スケを眺め、クロノグラフを動かしてクラッチの切り替えを観察すると、満足感はさらに高まります。
文字盤のAOPA、裏スケのクラッチ、腕に沿う7連ブレス。使わない計算尺まで含めて、1952年から続く物語の手触り。これが、ナビタイマーを手首に載せる満足感というわけです。
- ナビタイマーは1952年にAOPAの依頼で生まれた計算尺付きクロノグラフだと押さえている
- 1952年の原型は41mmで、現行ラインの主力は43mmと46mmだと把握している
- 41mmのB01が1952年の原型と同じ寸法に戻る選択でもあると理解して選んでいる
- 自社製B01は約70時間の自動巻で、裏スケからクロノの動きまで眺められると知っている
- 回転計算尺を自分が実際に使う場面があるのかどうかを、買う前に落ち着いて考えている
- 白に見える文字盤は遠目と近くで質感が変わるため、店頭で実機を見て印象を確かめている
- ケース厚は公式で13.6mmあるため、手持ちのシャツの袖口に収まるかを試している
- クロノグラフのプッシャーが硬い点を、店頭で実際に押して許容できるかどうか確かめている
- リューズが小さく汗で回しにくい点が、自分の毎日の使い方で困らないか具体的に考えている
- 防水は3気圧(30m)なので、水に触れない晴れた日中心の使い方だと割り切っている
- 夜光が控えめで暗い場所では読みにくい点を、自分の使い方で受け入れられると判断している
- 41mmと43mmの差は直径2mmで、厚さと防水とムーブメントは同等だと比べている
- 維持費は公式が推奨する2年ごとのメンテと4〜6年ごとのOHを前提に見積もっている
- 購入前に型番ごとの価格と在庫を、公式の製品ページと正規店の来店予約で確かめている
- 価格は2026年10月時点の参考値で、市況により変わる点を踏まえて購入を判断している
ナビタイマーは、計算尺という実用を使わなくても、原型と同じ41mmの寸法、白に見える文字盤、腕に沿うブレスで、手元に置く喜びを与えてくれる時計です。一方で、硬いプッシャー、小さなリューズ、3気圧、控えめな夜光は、購入前に店頭で必ず確かめてください。検証日は2026年10月で、価格は参考値です。
ナビタイマーの周りには、パイロットウォッチの歴史、クロノグラフの使い方、パワーリザーブの考え方といった、読み進めたくなる話題がまだあります。次の一本を考えるときの参考として、関連する記事を挙げておきます。






