自動巻き時計の保管ケースの選び方|ワインディングマシーンは必要?
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こんにちは、クロノジャーニーのmomomoです。週末だけ着ける自動巻き時計は、平日にどう置いておけばよいのでしょうか。ワインディングマシーンで回し続けるか、ケースで静かに休ませるかは、意見が分かれる話題です。
時刻と日付だけのシンプルな時計なら、ワインディングマシーンは必須ではありません。それよりも効くのは、置き場所です。磁気、湿気、そして防虫剤のように空気中へ広がる薬品から、時計を離しておくことが大切です。
この記事では、セイコー(Seiko)とシチズン(Citizen)の取扱説明書をもとに、ケースの選び方と置き場所の決め方をまとめます。4つの柱でいえば、「機構の解体」で仕組みを確かめたうえで、「生涯の伴侶」として長く付き合うための保管を考えていきます。時計の寿命そのものが気になる方は、自動巻き腕時計は何年もつかもあわせてご覧ください。
この記事を読むと分かること
- ワインディングマシーンの利点と、使わなくてよい人の条件
- 週末だけ着ける人に合う保管ケースの選び方
- 磁気や湿気、防虫剤など時計から遠ざけたいもの
- しまう前に行う汗や汚れの拭き取り方
目次
自動巻き時計の保管はケース?ワインディングマシーン?
動かしておくか、休ませるか。保管の最初の分かれ道を、ケースとワインダーの二つで考えます。
「動かしておくか、休ませるか」は、保管の最初の分かれ道です。ここでは、それぞれの考え方と、ケースを選ぶときの基準を見ていきます。
ワインディングマシーンの利点と注意点
置くだけで時計を動かし続けてくれる機器です。利点と、選ぶときの確認点を見ていきます。
ワインディングマシーン(以下、ワインダー)は、置いておくだけで自動巻き時計の巻き上げを代わりにしてくれる機器です。モーターで時計を回し、内部のローター(巻き上げ用の錘)を動かして、ぜんまいを巻きます。
最大の利点は、時計が止まらないことです。永久カレンダーやムーンフェイズ(月の満ち欠けの表示)のような機構は、止まると日付や月齢を合わせ直す手間がかかります。
機種によっては、その手間がかなり大きくなります。こうした時計では、ワインダーが頼もしい味方になるわけです。
一方で、気をつけたい点もあるのです。
機械式時計は、動力を伝える歯車に、いつも力が加わっています。セイコーの取扱説明書は、だからこそ洗浄や油の交換が必要だと説明しています。分解掃除(オーバーホール)は、2〜3年に1度ほどが目安です。
動いている時間が長いほど、部品がすり減っていくと考えるのが自然でしょう。ワインダーで回し続ける保管は、時計を休ませない使い方になる、というのが私の理解です。が、その差がどれほどなのかは、私は把握していません。
ぜんまいについても触れておきます。自動巻き時計のぜんまいは、いっぱいに巻けると、それ以上は空回りして滑る仕組みです。セイコーの取扱説明書は、巻きすぎてもぜんまいが切れる心配はないと説明しています。
ワインダーで回し続けると、この滑る状態が続くのでは、と気にする人もいます。ただ、メーカーの取扱説明書にワインダーの使い方は載っていません。ですので、負担の大きさについては断定せず、選ぶときの確認点にとどめます。
- 回転数(1日に何回まわすか)と回転の向きを選べる機種のほうが、時計に合わせやすい
- 適した回転数は時計ごとに違うため、時計の取扱説明書やメーカーの窓口で確認する
- モーターを使う機器なので、磁気への配慮が書かれた製品を選ぶと安心
週末ユーザーにワインディングマシーンは必要か?
平日はスマートウォッチやクォーツ時計を使い、機械式は週末に楽しむ。そんな使い方をする人は、少なくないと思います。こうした「週末ユーザー」に、ワインダーは必要なのでしょうか。
時刻と日付だけの時計であれば、必須ではありません。私は、なくても困らない人のほうが多いと考えています。
まず、止まるまでの時間を確かめましょう。
セイコーの4R57を積んだ時計では、ぜんまいが十分に巻かれた状態で、約41時間動くと取扱説明書に書かれています。日曜の夜に外せば、火曜の午後には止まる計算です。次の週末には、針は止まっているわけです。
持続時間は機種ごとに違います。お手持ちの時計の説明書も、見ておきましょう。
止まった時計を使うときの手順も、説明書にあります。りゅうずを手で20回ほど巻いてぜんまいを巻き上げ、日付と時刻を合わせてから、腕につけます。慣れれば、そう大きな手間ではありません。
シチズンは、できれば毎日身につけて巻き上げるのが理想だと案内しています。週末だけの使い方は、その理想から外れた形です。が、着ける日にきちんと巻き上げ直せば、時計は動き出します。
この数十秒の手順を、時計との挨拶のように楽しむ人は少なくありません。りゅうずの感触や、針が動き出す瞬間は、機械式ならではの醍醐味です。その楽しみを手放してまでワインダーを買う理由は、薄いでしょう。
手で振って動かす場合の回数は、自動巻き時計を手で振るときの目安が参考になります。日付や時刻を合わせるときの注意は、自動巻きの時刻合わせで故障を防ぐ手順にまとめました。
逆に、ワインダーが向く人もいるでしょう。朝の数秒も惜しい人、何本も持っていてその日の気分で選びたい人、止まると手間が大きい複雑機構の持ち主には、向いています。つまり、時計のためというより、人間の都合で選ぶものと割り切るのがよい、と私は思います。
なお、動かしているのにすぐ止まってしまう場合は、自動巻きが止まるときの故障の見分け方を確かめてみてください。
週末の儀式として、りゅうずを巻いて時刻を合わせるのも、豊かな時間になりそう!
止めて保管しても大丈夫?油への影響
ワインダーを勧める声の中に、「止めておくと内部の油が固まるから、動かし続けたほうがよい」というものがあります。さて、これはどこまで本当なのでしょうか。
時計の油が時間とともに変質することは、確かなようです。時計店の解説では、長く動かさないと油が酸化して、粘り気が増すことがあるとされています。が、その期間がどれくらいなのかは、メーカーの取扱説明書に数字がありません。
数週間から数か月止めただけで動かなくなる、と言い切れる根拠は、私の手元にはないのです。反対に、「絶対に大丈夫」と言い切る根拠も持っていません。そこで、確かな事実を二つ並べます。
一つ目は、止まっている間は歯車が回らず、すり減らないことです。
たとえ話をしてみましょう。ワインダーでの保管は、ガレージでエンジンをかけっぱなしにするようなものです。動かさずに置く保管(静的保管)は、エンジンを切って置いている状態にあたります。
二つ目は、長く放置すると別の問題が出ることです。シチズンの取扱説明書には、りゅうずやボタンを長く動かさないと、汚れが固まって操作できなくなることがある、と書かれています。ときどきりゅうずを空回しするよう案内されています。
時計店の記事では、月に1回前後、手でぜんまいを巻いて針を動かすことが勧められているようです。メーカーの説明書にはない数字なので、あくまで目安です。
私はこのように認識しています。ここに書いたことが絶対に正しいとは限らない点は、ご了承ください。
というわけで、止めて保管するのは、現実的な選択肢だと考えます。大切なのは、しまいっぱなしにしないことです。ときどき取り出して巻き上げ、動かしてあげましょう。
そして、2〜3年に1度の点検は、止めて保管する人も忘れずに行ってください。
コスパ重視か品質か?自動巻き時計用保管ケースの違い
外装、ヒンジ、内装、クッション。見た目が似ていても、作りの差は出やすいところです。
ワインダーを使わず、ケースで保管すると決めたら、次はケース選びです。ネット通販には、手ごろな価格のものから高級ブランドの品まで、幅広い製品が並んでいます。
「時計を入れるだけの箱に、お金をかける意味があるのか」と思う人もいるでしょう。が、時計に触れる部分の素材やふたの作りには、差が出やすいところです。下の表は、よく見られる違いをまとめたものです。
外装の合成皮革について補足します。全国クリーニング生活衛生同業組合連合会の資料では、ポリウレタン樹脂は通常2〜3年で劣化するとされています。
原因は、空気中の水分による加水分解や、紫外線、熱、汚れなどです。症状として、コーティングの剥がれやべたつきが挙げられています。
見落としやすいのが、クッションです。ブレスレットを手首に合わせて短くしている場合、クッションが太すぎると、無理に広げて留めることになります。
つなぎ目のコマに力がかかり続けるため、避けたいところです。外周を調整できるものか、小さめのものが安心でしょう。
ケースの内寸も確かめましょう。ラグ(ベルトをつなぐ突起)まで含めた長さが、仕切りに収まるかどうかを見ます。ふたを開けたとき、勝手に閉じたり倒れたりしないかも、大切な確認点です。
失敗しない保管ケースのおすすめと選ぶべき内装素材
時計に直接ふれるのは内装です。起毛した柔らかい素材が、細かい線キズから守ります。
では、どんな基準で選べば失敗しにくいのでしょうか。
まず内装です。ポリッシュ仕上げ(鏡のようにみがいた面)に細かい線キズをつけないため、起毛した柔らかい素材が向いています。ベルベット、スエード調、マイクロスエードなどです。
出し入れのたびに、時計はこの面にこすれます。素材が硬いと、小さな線キズが少しずつ増えていきます。
外装は、好みで選んで構いません。木製、革張り、ガラス天板つきなど、それぞれ持ち味があります。優先したいのは、ふたの開閉がなめらかなことと、時計を置いたときにぐらつかないことです。
静電気にも触れておきます。セイコーの取扱説明書は、磁気や静電気の影響がある場所での保管を避けるよう案内しています。静電気を起こしやすい素材や置き場所は、避けるのが無難でしょう。
置き方もそろえておきます。シチズンは、置き方で精度が変わることがあるため、身につけていないときは同じ置き方を保つとよい、と案内しています。文字盤を上にする、リューズを同じ向きにするなど、毎回の置き方を決めておきましょう。
- 蓋を閉めたまま中身が見える、ガラスやアクリルの天板タイプは人気がある
- 愛機を眺められるのは楽しいが、直射日光の当たる場所には置かない
- 窓際に置くと、ケースの中の温度も上がりやすいと考えられる
- 日光は革ベルトの変色や変形の原因になるため、中身が見えるタイプは日の当たらない場所へ
腕時計の保管ケースをチェックする
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なるほど、クッションの大きさで合う、合わないがあるんですね。しっかりしたケースを探してみようかな。
自動巻き時計を長く守る保管ケースの条件と環境づくり
よいケースも置き場所しだいです。磁気、湿気、日光、薬品から時計を離す環境づくりを見ていきます。
よいケースを手に入れても、置く場所が悪ければ、時計は傷みます。ここでは、磁気、湿気、日光、薬品といった、目に見えにくいものから時計を守るルールを見ていきます。
磁気は5cm以上離す!スマホとの位置関係
外した時計をスマートフォンの上に置くのは失敗のもと。磁気を出すものから離して置きます。
機械式時計にとって、身の回りの磁気は大敵です。時計の精度を決める部品に、ひげぜんまいがあります。
てんぷという部品の中にある、とても細くて薄いぜんまいです。強い磁気がそばにあると、このひげぜんまいの動きが乱れます。
シチズンによると、機械式時計は、内部の部品が磁気を帯びて、精度が狂うことがあるとのことです。脱磁(磁気を抜く作業)をすれば、元に戻せるとされています。セイコーの取扱説明書では、磁気が原因で精度の範囲を超えた場合、磁気抜きと再調整は保証期間内でも有料と案内されています。
では、どれだけ離せばよいのでしょうか。
セイコーもシチズンも、耐磁の表示がない機械式時計は、磁気を出す製品から5cm以上離すよう案内しています。磁気の強さは、距離の2乗に反比例して弱まります。距離を2倍にすれば、磁気は4分の1になるわけです。
耐磁時計には、JIS(日本産業規格)B 7024で決められた種類があります。1種は、直流磁界4,800A/m(およそ60ガウスにあたります)に耐える水準です。5cmまで近づけても、ほとんどの場合、性能を保てるとされます。
2種は16,000A/mに耐える水準で、1cmまでです。まず、お手持ちの時計の裏ぶたに、耐磁の表示があるかを確かめましょう。
帰宅して時計を外したとき、スマートフォンの上にそのまま置くのは、典型的な置き方の失敗です。バッグの磁石の止め金のすぐ横も、同じことが言えます。無意識にやってしまう動作ほど、気づきにくいものです。
保管ケースの置き場所を決めるときは、上の表の機器が近くにないか、確かめてください。机の上のスピーカーやパソコンの脇は、便利そうに見えて、じつは落とし穴になりやすい場所です。将来そこに置かれる機器がないかも、考えておきましょう。
湿気を避ける。湿度の目安と乾燥剤
湿度の公式な数字はありません。湿度計で様子を見ながら、湿気のこもらない場所を選びます。
日本は湿気の多い国です。梅雨から夏にかけては、時計の置き場所を特に気にしたい時期です。セイコーもシチズンも、取扱説明書で、湿度の高い(多湿の)場所での保管を避けるよう案内しています。
防水時計でも、油断はできません。
セイコーの取扱説明書によると、水や汗、汚れがついたままだと、防水不良になるおそれがあります。パッキンが劣化したり、ステンレスがさびたりするためです。ガラスの内側にくもりや水滴が出て、長く消えないときは、防水不良のサインとされています。
さて、気になるのは湿度の数字です。時計店の解説記事には、「40%前後」「40〜50%」といった目安が書かれています。
が、セイコーとシチズンの取扱説明書に、湿度の数字は載っていません。数字は販売店側の目安として、参考程度に受けとめましょう。
乾燥剤についても、同じです。湿気対策用の乾燥剤や炭が、時計内部の油まで乾かしてしまうおそれがある、と説明する時計店の記事があります。
メーカーの取扱説明書には、この記載はありません。私は、乾燥剤を使うなら控えめにして、湿度計で様子を見るのが無難だと考えます。
防湿庫(カメラ用などの、湿度を一定に保つ保管庫)を使う場合も、まず湿度計で数字を確かめてから、設定を決めましょう。庫内を乾かしすぎない配慮が要るのでは、と私は思っています。
一般の家庭なら、洗面所や、結露する窓際のような湿気がたまる場所を避けましょう。風通しのよい部屋にケースを置いておけば、そこまで神経質になる必要はありません。
直射日光と温度変化から文字盤を守る置き場所のルール
保管ケースをインテリアのように飾りたくなって、窓際の明るい場所を選ぶ人もいるでしょう。自然光に照らされた時計は美しいものです。が、保管の面では、避けたい場所です。
シチズンの取扱説明書は、直射日光などの紫外線が、皮革バンドの変色や変形の原因になると説明しています。セイコーも、皮革バンドを直接日光の当たる場所に放置しないよう案内しています。
文字盤やベゼルの色にも、似たことが起こり得るでしょう。色あせを「味」として楽しむヴィンテージ愛好家もいますが、現行の時計をきれいに保ちたいなら、日なたは避けましょう。
温度にも注意が必要です。セイコーは、5℃〜35℃の範囲を外れる温度に、長い間さらされる場所での保管を避けるよう案内しています。シチズンは、機械式時計は温度の変化で金属が伸び縮みし、精度に差が出ると説明しています。
窓際は、一日の中で温度が大きく変わりやすい場所です。エアコンの風が直接当たる場所も、避けたいところです。
部屋の中ほどにある棚や、日の当たらないクローゼットの中が向いています。ガラス天板のケースを飾る場合も、考え方は同じです。
ただし、クローゼットでは防虫剤に注意が必要です。理由は、このあとの見出しで説明します。
防虫剤のそばに時計を置かない理由
衣替えのとき、時計を服と同じ引き出しにしまうのは避けたい動作です。保管の場所を分けます。
意外と知られていない落とし穴が、防虫剤です。衣替えのときに、時計を服と同じ引き出しやタンスにしまっていませんか。そこに防虫剤が入っているなら、別の場所へ移しましょう。
セイコーの取扱説明書は、揮発性の薬品が空気中に出ている場所での携帯と保管を避けるよう、はっきり案内しています。例として、除光液などの化粧品、防虫剤、シンナーが挙げられています。防虫剤は、成分が気体になって広がるものです。
なぜ避けるのかについて、説明書に細かい理由は書かれていません。が、シチズンの説明書には、ウレタンバンドが溶剤や空気中の湿気で劣化する性質があるとの記載があります。
皮革バンドにも、揮発性の薬品がつくと、色落ちや早期劣化の原因になるとあります。薬品が時計の素材に影響する、という点は共通しているわけです。
防水用のパッキンについては、どうでしょうか。防虫剤のガスがパッキンにどう作用するのかまでは、説明書に書かれておらず、私は把握していません。ただ、パッキンが劣化すると防水不良につながることは、セイコーの説明書に書かれています。
安全側に考えて、防虫剤を使う場所から時計を離す。これが現実的な答えです。クローゼットなら、防虫剤を置いていない棚や、専用のケースの中を選びましょう。
防水性が心配になったときは、分解掃除のときにパッキンの交換もあわせて依頼するよう、セイコーの説明書は案内しています。
えっ、タンスの引き出しに一緒にしまっていました…。防虫剤が届かない場所に、すぐ移さなきゃ。
長期保管の前には必須!汗や皮脂汚れを落とすケア
一日着けた時計には、汗や皮脂が目に見えない形でついています。しまう前の一拭きが習慣になります。
最後に、ケースにしまう前のひと手間です。一日着けた時計には、汗や皮脂、ほこりが、目に見えない形でついています。
セイコーの取扱説明書は、水や汗、汚れがついたままにするのを避けるよう案内しています。防水時計でも、ガラスの接着面やパッキンが傷んだり、ステンレスがさびたりして、防水不良になるおそれがあるからです。シチズンも、長く使わないときは、汗や汚れ、水分をよく拭き取ってから保管するよう案内しています。
拭き方は、素材によって変わります。シチズンの説明書では、ケースとガラスの汗や汚れは、柔らかい布で拭き取るのが基本です。皮革バンドは、乾いた布で拭きます。
金属バンドは、水で洗い落とせるとされ、すき間につまった汚れは、柔らかいハケで取ります。なお、水洗いができるかどうかは、時計の防水性能しだいです。取扱説明書の防水表示を、先に確かめてください。
特に、汗をかく夏や、一日中着けた日は念入りに行います。裏ぶたの刻印のくぼみや、ブレスレットのコマとコマのすき間は、汚れがたまりやすい場所です。ここをさっと一拭きするだけでも、違ってきます。
この小さな習慣が、10年後の状態を左右する・・・と書くと、少し大げさかもしれません。が、毎日のことだけに、差は積み重なっていくはずです。
総括:自動巻き時計の保管ケース選びで愛機を守ろう
ここまで、ケースとワインダーの使い分けと、置き場所の決め方を見てきました。大切なのは、時計のタイプ(複雑機構かシンプルか)と使う頻度に合わせて、動かすか休ませるかを決めることです。
- 永久カレンダーなど、止まると合わせ直しの手間がかかる時計には、ワインダーが向いている
- 時刻と日付だけのシンプルな時計なら、週末ユーザーにワインダーは必須ではない
- 止まった時計は、りゅうずを20回ほど巻き、時刻を合わせてから使い始めるのが基本
- ワインダーで回し続けると稼働時間が増えるため、部品の摩耗の進み方を意識しておく
- 止めて保管するときも、しまいっぱなしにせず、ときどき巻き上げてりゅうずを動かす
- メーカーはオーバーホールを、2〜3年に1度ほどの目安で受けるよう案内している
- ケース選びは、ヒンジの強さ、内装の柔らかさ、クッションの大きさの3点で見る
- 内装は、ベルベットやスエード調など、起毛した柔らかい素材を選ぶとキズを防ぎやすい
- 耐磁表示のない機械式時計は、磁気を出す製品から5cm以上離して置くのが基本
- スマートフォンやバッグの磁石の止め金の上に、外した時計を重ねて置かない
- 湿度の数字はメーカーの説明書になく、湿気の多い場所を避けて湿度計で様子を見る
- 革ベルトの変色や変形を防ぐため、直射日光の当たる窓際にはケースを置かない
- 除光液や防虫剤など、揮発性の薬品が出ている場所に時計をしまわない
- しまう前に、柔らかい布で汗や皮脂、汚れを拭き取る習慣をつけて防水性を守る
- 置き場所は、温度変化の少ない部屋の棚や、日の当たらないクローゼットの中を選ぶ
今回は、保管ケースとワインディングマシーンの使い分けと、避けたい磁気・湿気・日光・防虫剤を整理しました。どちらを選ぶ場合も、いちばん効くのは置き場所の見直しです。4つの柱でいう「生涯の伴侶」として、長く付き合える環境を整えてあげましょう。
時計を長く愛用するには、保管のほかに、日ごろの扱い方も大切です。長く使うための鉄則や、キズを自己流で消さない理由は、関連記事で詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。