ジラールペルゴ×フェラーリ ラトラパンテの型番と相場を解説

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ジラールペルゴ×フェラーリのラトラパンテ搭載モデルを捉えたアイキャッチ画像
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「フェラーリの時計」と聞くと、多くの人はブランドロゴ入りのコラボグッズを思い浮かべるかもしれません。ですが、1990年代にジラール・ペルゴが手がけた「ラトラパンテ」搭載モデルは、そうした軽いイメージとは一線を画す存在です。1本の軸に2本の秒針を仕込み、途中経過を計測できるようにしたスプリットセコンドクロノグラフという複雑機構を、フェラーリとの協業モデルという形で世に送り出していました。生産終了から20年以上が経ち、いまではヴィンテージ〜ネオヴィンテージ市場でしか出会えない存在になっています。この記事では、ラトラパンテという機構そのものの仕組みから、ジラール・ペルゴとフェラーリがなぜ手を組んだのか、そして主要な型番の変遷と現在の相場感までを、1本の記事でまとめて整理します。

この記事を読むと分かること
  • ラトラパンテ(スプリットセコンドクロノグラフ)の仕組みと動作原理
  • ジラール・ペルゴとフェラーリが「pour Ferrari」で提携した歴史的背景
  • 9015・9020・99190など主要リファレンスの型番別の違い
  • 現在の中古・買取相場と、これから手に入れる・手放す際の考え方

目次

ジラール・ペルゴ×フェラーリ「ラトラパンテ」の本質と歴史的意義

ラトラパンテのクランプとハートカム機構を写した精密機械式ムーブメントのマクロ写真
クランプとハートカムが連動し、2本の秒針で異なる経過時間を同時に記録します。

ラトラパンテとは何か——スプリットセコンドクロノグラフの仕組み

1本の軸に重なる2本の秒針を持つラトラパンテの文字盤アップ
普段は重なって動く2本の秒針が、プッシャー操作で一時的に分かれます。

「ラトラパンテ」は、フランス語の「rattraper(追いつく)」に由来する言葉です。時計用語としては「スプリットセコンドクロノグラフ」と呼ばれる複雑機構を指し、1本の中心軸に2本の秒針を重ねて備えている点が最大の特徴になります。通常のクロノグラフは秒針が1本しかないため、複数の対象を同時に計測することができません。ラトラパンテは、普段は2本の秒針が完全に重なった状態で連動して動き、専用のプッシャーを押した瞬間だけ片方の針を一時的に止め、もう片方はそのまま計測を続けます。止めた針が示す時間を読み取ったあと、もう一度プッシャーを押すと、止まっていた針が瞬時に動いている針へ追いつき、再び重なった状態に戻ります。この「追いつく」動作こそが名前の由来です。混同されやすい「フライバック」機構とは仕組みが異なり、フライバックは秒針をリセットしてすぐに再スタートできる機能であるのに対し、ラトラパンテは2本の秒針で異なる経過時間を同時に記録できる点が本質的な違いです。この定義を押さえておくと、後述する型番ごとの違いも理解しやすくなります。クロノグラフという機構全体の実用性については、以前クロノグラフは意味ないのかを検証した記事でも詳しく取り上げているので、複雑機構への理解を広げたい方はあわせて参考にしてください。

MOMOMO

ラトラパンテは、機構の解体という観点で見ると非常に興味深い複雑機構です。1本の軸に2本の秒針を仕込むという発想自体は古くからありますが、それを量産のコラボレーションモデルにまで落とし込んだ点にジラール・ペルゴの技術力が表れています。

EMIRI

クロノグラフとは何が違うんですか?普通のクロノグラフとの違いがまだピンときません。

MOMOMO

普通のクロノグラフは秒針が1本なので、計測できるのは同時に1つの経過時間だけです。ラトラパンテは秒針が2本あるので、例えば同時にスタートした2つの対象のうち、片方だけ先にゴールした時間を記録しつつ、もう片方の計測も止めずに続けられます。この「2つの時間を同時に扱える」点が最大の価値なんです。

クランプとハートカムで読み解く動作原理

クランプが秒針を停止させハートカムが復帰させる仕組みを示す機構部品の拡大写真
クランプで片方を止め、再プッシュ時にハートカムとハンマーが元の位置へ戻します。

ラトラパンテの動作は、大きく分けて「止める」動作と「戻す」動作の2段階で成り立っています。まずプッシャーを押すと、内部の「クランプ」と呼ばれる部品がスプリットセコンド車を両側から挟み込み、片方の秒針だけを物理的に固定します。もう片方の秒針は通常のクロノグラフ秒針としてそのまま時を刻み続けるため、止めた瞬間の経過時間だけを読み取ることができます。再度プッシャーを押すと、今度は「ハートカム」と呼ばれるハート形の部品と「ハンマー」と呼ばれるレバーが連動し、止まっていた秒針を一気に動いている秒針の位置まで引き戻します。この戻し動作の精度がラトラパンテの品質を左右する部分であり、複雑機構の中でも組み立て・調整の難易度が高いとされる理由です。ジラール・ペルゴのフェラーリ期モデルでは、一般的なラトラパンテのプッシャー位置(10時位置が多い)とは異なり、モデルによってはクラウンにプッシャーを内蔵する独自設計を採用していたとされます。ケースサイドをすっきりと見せる工夫であり、デザイン面と機構面の両立を狙ったものと考えられますが、この設計の詳細については一次資料での確認が及んでいない部分もあるため、あくまで参考情報として捉えてください。なお通常のクロノグラフ秒針の動作原理についてはクロノグラフ秒針が動かしっぱなしかどうかを機構別に解説した記事でも扱っているので、あわせて読むと基礎からの理解が深まります。

補足

クランプ・ハートカム・ハンマーは、いずれもスプリットセコンドクロノグラフに共通する基本部品です。ブランドによって形状や配置は異なりますが、役割そのものは共通しています。

ジラール・ペルゴとフェラーリ、「共同ブランディング」はなぜ実現したか

EMIRI

このモデルって、フェラーリ公式の時計なんですか?

MOMOMO

いいえ、そこは誤解されやすいポイントです。正確には「GP pour Ferrari(ジラール・ペルゴ・フォー・フェラーリ)」という名称で展開された、両社の対等な共同ブランディングモデルです。フェラーリ社が製造したわけでも、下請けとして作られたわけでもありません。

この協業は1993年から2004年までの約10〜11年間続いたとされています。背景にあるのは、1970年代のクォーツショックで経営危機に陥っていたジラール・ペルゴを、元レーサーでもあったイタリア人実業家ルイジ・マカルーソが1992年に買収し、立て直しを進めていたという事情です。その再建の過程で、当時のフェラーリ会長ルカ・ディ・モンテゼモーロとの間に信頼関係が築かれ、時計メゾンとスポーツカーメーカーという異業種同士の協業が実現したと伝えられています。「pour Ferrari」という表現自体が、フェラーリの傘下や下請けではなく、独立したメゾンとしてのジラール・ペルゴがフェラーリのために製品を手がけるという、対等な立場を示す言葉です。この位置づけを正しく理解しておくと、「フェラーリブランドの時計」ではなく「時計メゾンとフェラーリが組んだ独自のコラボレーションライン」として、モデルの価値をより正確に評価できるようになります。

クォーツショックからの復活とルイジ・マカルーソの経営手腕

ジラール・ペルゴ公式のブランド史によれば、同メゾンは1791年にスイス・ラ・ショー=ド=フォンで創業しました。しかし1970年代に業界全体を襲ったクォーツショックの影響を受け、機械式時計を主軸としていた多くのスイスメゾンと同様に厳しい経営環境に置かれた時期がありました。この苦境からの再建において中心的な役割を果たしたのが、1992年に経営権を取得したイタリア人実業家ルイジ・マカルーソです。元レーサーという経歴を持つマカルーソは、単に資本を投じただけでなく、モータースポーツ業界とのつながりを活かしてブランドの方向性を再構築したと伝えられています。フェラーリとの協業も、この再建戦略の延長線上に位置づけられる出来事だったと考えられます。クォーツショックからの復活劇という文脈を踏まえると、ラトラパンテのフェラーリ期モデルは単なる限定コラボグッズではなく、メゾンの存続と再興を象徴する製品群としての側面も持っていることが分かります。この経緯についてはGINZA RASINブログなど複数の情報源で言及されていますが、経営判断の詳細な内部事情までは一次資料での確認が難しいため、大枠のストーリーとして理解しておくのが妥当です。

主要リファレンスの変遷——9015→9025→9020→8050→4980→99190【型番比較表】

GPフェラーリ主要型番9015から99190までを年代順に並べた比較写真
9015のトリビュートモデルから99190のトゥールビヨンまで、10年で段階的に発展しました。

GPとフェラーリの協業期には、複数のリファレンス(型番)が展開されました。代表的なものを年代順に整理すると、次のようになります。いずれも生産終了・限定生産のモデルであり、以下の限定本数・発売年はQuill & Padの専門記事「History Of Ferrari Watches: Girard-Perregaux Pour Ferrari」に基づく二次情報のため、確定情報としてではなく「〜とされる」参考値として扱ってください。

型番発売年主な特徴限定本数(目安)
Ref.90151994年自動巻きラトラパンテ、38mm金ケース、「フェラーリへのトリビュート」約499本とされる
Ref.8020系(8025・8030等)1995年以降ETA/Valjouxベースの量産型クロノグラフ・三針モデル量産帯
Ref.9025「F50」1996年自動永久カレンダークロノグラフ、40mm約349本+追加250本とされる
Ref.9020「フドロワイヤント」1999年ラトラパンテ+フドロワイヤント、スクーデリア・フェラーリ70周年約750本とされる
Ref.8050「375ミッレミリア」2002年手巻きモノプッシャークロノグラフ、THA製ムーブメント約375本とされる
Ref.4980「F2003 GA」2003年ワールドタイムクロノグラフスチール約249本/チタン約99本/WG約25本とされる
Ref.99190「エンツォ・フェラーリへのトリビュート」2004年トゥールビヨン+クロノグラフ+永久カレンダー、文字盤に11本の針約349本とされる

この一覧を見ると、初期の9015が「フェラーリへのトリビュート」という位置づけの複雑機構モデルとして始まり、8020系で裾野を広げ、9025・9020でさらに複雑機構を重ね、最終的に99190というトゥールビヨン搭載モデルで協業を締めくくる、という流れが見えてきます。単発のコラボアイテムではなく、10年をかけて段階的に発展したラインだったことが型番の変遷から読み取れます。

Ref.9020「フドロワイヤント」併載という二重複雑機構の価値

スプリットセコンドとフドロワイヤントを併載したRef.9020の文字盤アップ
スクーデリア・フェラーリ70周年を記念したRef.9020は二重複雑機構を搭載しました。

数あるリファレンスの中でも技術的な見どころが大きいのが、1999年発売のRef.9020です。このモデルは、ラトラパンテに加えて「フドロワイヤント」という機構を併せ持っています。フドロワイヤントとは、1/8秒単位で高速に跳躍する針を備えた機構で、通常のクロノグラフでは計測しづらい瞬間的な差を視覚的に示すことができます。スプリットセコンドとフドロワイヤントという2つの複雑機構を1つのムーブメントに重ねて搭載するのは決して容易なことではなく、この点はジラール・ペルゴの技術力を象徴する要素として語られることが多いモデルです。発売のタイミングはスクーデリア・フェラーリ70周年の記念という文脈も重なっており、単なる技術デモンストレーションではなく、フェラーリのモータースポーツにおける精密な時間計測というイメージとも重なる企画だったと考えられます。限定本数は約750本とされていますが、こちらも専門メディア経由の二次情報であるため、正確な数値については個体を検討する際に販売店側の情報と照らし合わせることをおすすめします。二重の複雑機構を搭載しながら量産コラボモデルとして仕立てた点は、現在のヴィンテージ市場での評価にもつながる要素です。

ラトラパンテとフライバック・ダブルクロノグラフの違い

複雑機構の呼び方はブランドによって異なるため、混同されがちな用語を整理しておきます。KOMEHYO トケイ通信の解説記事によれば、ラトラパンテと同じ「2本秒針で片方を止める」機構は、IWCでは「ダブルクロノグラフ」という呼称で展開されています。呼び名は違っても、内部の基本原理はスプリットセコンドクロノグラフと同じものです。一方「フライバック」は、稼働中の秒針をリセットしてすぐに再スタートできる機能であり、2本の秒針で異なる経過時間を記録するラトラパンテとは目的も構造も異なります。この違いを混同すると、モデル選びの際に誤った期待を持ってしまう可能性があるため、両者は別物として理解しておくべきです。なお現代における複雑機構の到達点としては、A.ランゲ&ゾーネが2004年に発表した「ダブルスプリット」(秒・分の両方をスプリット可能)、2018年に発表した「トリプルスプリット」(秒・分・時間のすべてをスプリット可能、限定100本)が挙げられます。1990年代のジラール・ペルゴのラトラパンテは、これらより一世代前の技術でありながら、クラウン内蔵プッシャーのような独自の工夫を凝らし、複雑機構を協業モデルという形で世に送り出した点に歴史的な意義があります。

4つの柱で読み解くGPフェラーリモデルの位置づけ

MOMOMO

ここまでの内容を、当サイトの分析視点である「4つの柱」で整理してみます。

機構の解体という観点では、ラトラパンテのクランプとハートカム&ハンマーによる同時計測の仕組み、そしてRef.9020に見られるフドロワイヤントとの重ね掛けが核心です。匠の美学という観点では、フェラーリを象徴するレッド・ブルー・イエロー・ブラックといった多彩なダイヤルカラー展開や、クラウン内蔵プッシャーによってすっきりと整えられたケースサイドのデザインが挙げられます。メゾンの遺産という観点では、クォーツショックからの復活とルイジ・マカルーソの経営手腕、そしてフェラーリとの対等な共同ブランディングという当時としては先進的な提携の形そのものが、ジラール・ペルゴの歴史における重要な1ページになっています。そして生涯の伴侶という観点では、協業終了から20年以上を経て流通数が限られる今、これから知り、手に入れるならどう向き合うべきかという所有ストーリーが焦点になります。この4つの視点を踏まえたうえで、次の章では実際に手に入れる・手放す際の実践的な情報を整理していきます。

所有・楽しむための実践知識——今から知り、手にするなら

ジラールペルゴ フェラーリモデルを中古店でルーペ確認する手元と保証書
ヴィンテージゆえに個体差が大きく、状態と付属品の確認が欠かせません。

現在の中古・買取相場【検証日:2026年7月】

ジラールペルゴ フェラーリモデルの査定・相場確認をイメージした中古品と付属品の写真
型番・状態・付属品の有無で査定額は大きく変わります。

GPフェラーリモデルの相場は、個体の型番・素材・状態・付属品の有無によって大きな幅があります。国内オークションサイトの落札データを集計した参考値では、GPフェラーリ関連モデル全体で最低3,980円〜最高180,000円、平均62,342円という結果が確認できました。数千円台の個体は状態が厳しいものやベルト・付属品欠品のケースが多く、高値帯は良好なコンディションでフルセットが揃った個体と見られます。海外プラットフォームのChrono24では、Ref.9020(ラトラパンテ+フドロワイヤント搭載モデル)の出品例として、ドル建てでおおむね1本あたり15,000〜22,000ドル程度の価格帯(出品例ベースの参考値)が複数確認でき、プラチナケース・限定仕様のRef.9015では3万ドル近い出品例も見られました。またジラール・ペルゴ全般の国内買取相場としては、平均査定額87,285円(69件実績)というデータもあり、買取店ごとの価格差は平均61,000円程度にのぼるとされています。

EMIRI

今売ったらいくらになるんですか?

MOMOMO

型番・状態・付属品次第で数万円から数十万円まで幅がありますが、一律の相場は存在しません。同じ型番でもフルセットかどうか、稼働状態が良好かどうかで査定額は大きく変わります。手放す際は、必ず複数の店舗で査定を受けて比較することをおすすめします。

価格・相場情報の取扱について

検証日:2026年7月。本記事の価格・相場は執筆時点(2026年7月時点)の参考値です。為替・市況により変動するため、購入・売却の判断は最新情報をご確認のうえ行ってください。

正規・並行・中古の入手ルートと注意点

GPフェラーリモデルは2004年に協業自体が終了しているため、現在は新品の正規流通ルートが存在しません。手に入れる方法は、中古専門店・オークション・個人売買のいずれかに限られます。中古専門店経由での購入は、真贋確認や動作保証が付くケースが多く、初めてこのモデル群に触れる場合には比較的安心できる選択肢です。一方でオークション・個人売買は価格面で有利なことがある反面、状態の見極めや真贋判断を自分自身で行う必要があり、機構やムーブメントの知識がないまま手を出すとリスクが高くなります。特にラトラパンテのような複雑機構は、外装が綺麗に見えても内部の調整不良を抱えている個体が存在するため、購入前の実機確認や信頼できる販売店・オークションハウスの選定が重要になります。並行輸入という選択肢についても、現行品ではなく生産終了モデルであるため一般的な並行輸入ルートには乗りにくく、実質的には中古市場での個体探しが中心になると考えておくのが現実的です。あわせて確認したいのが、ケース裏やムーブメントに刻まれたシリアル・リファレンス番号の照合です。型番だけを鵜呑みにせず、刻印内容と外装・付属品が矛盾していないかを店頭で確認しておくと、購入後のトラブルを避けやすくなります。

ヴィンテージ機械式ゆえのOH・メンテナンス事情

GPフェラーリモデルはいずれも1990年代〜2000年代前半に製造された機械式時計であり、購入後はオーバーホール(OH)を含む定期的なメンテナンスが避けて通れません。生産終了から20年以上が経過しているため、部品供給の状況は型番や年式によって差があると考えられ、特に複雑機構であるラトラパンテやフドロワイヤント搭載モデルは、対応できる時計師や工房が限られる可能性があります。購入を検討する段階から、将来的なOH費用や対応可能な修理拠点についてある程度調べておくと、所有後のトラブルを避けやすくなります。一般的な機械式時計と同様に、稼働状態を保つためには数年ごとのOHが推奨されますが、複雑機構の場合は通常のクロノグラフよりも作業難易度・費用ともに高くなる傾向があります。購入時点で直近のOH履歴が分かる個体であれば、今後のメンテナンス計画も立てやすくなるため、販売店に確認しておくとよいでしょう。またラトラパンテ機構は、通常のクロノグラフに比べて調整箇所が多く、OH後の精度出しにも時間がかかりやすい傾向があります。ブランド公式のアフターサービスが利用しにくい生産終了モデルだからこそ、複雑機構の実績がある独立系工房を事前にリサーチしておく姿勢が長く付き合ううえで欠かせません。

現行ラインナップ「ロレアート」との接続

現行ジラールペルゴのフラッグシップ「ロレアート」を撮影したスタジオ写真
pour Ferrari終了後、現行のフラッグシップはロレアートに引き継がれています。

ジラール・ペルゴとフェラーリの「pour Ferrari」協業は2004年で終了しており、現在のジラール・ペルゴのフラッグシップスポーツラインは「ロレアート」に引き継がれています。ロレアートは2025年から2026年にかけて誕生50周年を迎え、「ロレアート・フィフティ」という記念モデルが発表され、2026年からは通常カタログにも加わっています。今回の調査範囲では、現行のジラール・ペルゴのラインナップにラトラパンテ機構を搭載したモデルの存在は確認できませんでした。つまりラトラパンテという複雑機構そのものを現行品で楽しみたい場合は、フェラーリ期のヴィンテージモデルを探すか、他ブランドの現行スプリットセコンドクロノグラフを検討することになります。ロレアートは八角形ベゼルと一体型ブレスレットを特徴とするラグジュアリースポーツウォッチであり、フェラーリ期の複雑機構路線とは異なる、量産スポーツラインとしての現代的な立ち位置を担っています。ロレアートについては、以前ジラール・ペルゴ「ロレアート」が買えない理由と購入術をまとめた記事でも詳しく解説しているので、現行ラインナップの人気ぶりと合わせて読むと、ブランド全体の位置づけがより立体的に見えてきます。

FAQ

ラトラパンテとはわかりやすく言うと?

1本の軸に2本の秒針を持つクロノグラフのことです。プッシャーを押すと片方の秒針だけを一時停止させ、途中経過を読み取れます。もう一度押すと止まっていた針が動いている針に追いつき、また重なった状態に戻ります。

ジラールペルゴとフェラーリはなぜコラボしたのか?

1992年にルイジ・マカルーソがジラール・ペルゴの経営権を取得し再建を進める中で、フェラーリ会長ルカ・ディ・モンテゼモーロとの信頼関係が築かれ、対等な共同ブランディングとして1993年から協業が始まったとされています。

今からGPフェラーリモデルを買う価値はあるか?

生産終了・流通限定のヴィンテージ機であり、複雑機構と歴史的背景の両面で独自の価値があります。ただし状態差が大きいため、信頼できる販売店で実機確認をしたうえで判断することをおすすめします。

ラトラパンテとフライバックの違いは?

ラトラパンテは2本の秒針で異なる経過時間を同時に記録する機構です。フライバックは稼働中の秒針をリセットしてすぐ再スタートできる機能で、目的も構造も異なる別の機構です。

まとめ

ラトラパンテという複雑機構の仕組みから、ジラール・ペルゴとフェラーリの対等な協業関係、そして主要リファレンスの変遷までを見てきました。単なるコラボグッズではなく、クォーツショックからの再建期に生まれた技術と物語が詰まったモデル群であることが見えてきたのではないでしょうか。

MOMOMO

機構・歴史・相場のすべてを踏まえたうえで向き合うと、GPフェラーリモデルは単なる話題性のあるコラボアイテムではなく、1990年代のスイス時計業界の再興物語そのものだと感じます。

  • ラトラパンテは1本の軸に2本の秒針を持つ複雑機構
  • rattraperはフランス語で追いつくの意味
  • クランプが秒針の片方を一時停止させて中間計測を可能にする
  • 再プッシュでハートカムとハンマーが元の位置へ戻す
  • GP一部モデルはプッシャーをクラウン内蔵にした独自設計
  • GPとフェラーリの提携は1993年から2004年までの約11年間
  • pour Ferrariは下請けでなく対等な共同ブランディング
  • 1992年マカルーソの買収がGP再建の転機になった
  • Ref.9015は自動巻きスプリットセコンドの初期モデル
  • Ref.9020はラトラパンテとフドロワイヤントを併載した代表作
  • Ref.99190は協業11年を文字盤の11本の針で象徴した
  • IWCはダブルクロノグラフの呼称でラトラパンテを展開
  • 中古・買取相場は個体の状態と付属品で大きく変動する
  • 現行GPの主力はロレアートでラトラパンテ搭載機は未確認
  • 手放すなら複数店舗査定で相場を見極めるのが基本

今回は、ジラール・ペルゴ×フェラーリの「ラトラパンテ」について、機構の仕組みから協業の歴史、主要型番の変遷、現在の相場までを整理しました。手に入れる場合も手放す場合も、型番と状態を丁寧に見極める姿勢が欠かせません。

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ラトラパンテという機構の面白さに触れたところで、関連するクロノグラフの話題もあわせて読んでみてください。秒針が止まっている・動きっぱなしといった素朴な疑問から、意味があるのかという根本的な問いまで、複雑機構への理解がさらに深まります。現行のジラール・ペルゴを代表するロレアートについても、あわせてチェックしておくとブランド全体像がつかみやすくなります。

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この記事を書いた人

時を旅するツールとして、機械式腕時計を中心とした高級ウォッチのめくるめく世界を、マニアックに情熱的に旅していきたいと思います。
ブライトリングのナビタイマー B01クロノグラフ41を所有。
欲しい腕時計は、ポラリス・デイト、カーキフィールド・マーフ41㎜、フィフティファゾムス・バチスカーフ、グランドセイコー雪白など。
ぜひ、「クロノジャーニー」で、一緒に高級腕時計の世界を楽しみましょう!

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