こんにちは、クロノジャーニーのmomomoです。
グランドセイコーを買って3〜4年がたつと、公式が案内するオーバーホールの時期が近づいてきます。オーバーホールとは、時計を分解して洗い、油を入れ直し、組み立て直す整備のことです。
どこに出すか迷う方は多いと思います。費用も日数も見えにくいからです。「街の修理店は安いと聞くけれど、グランドセイコーを任せて大丈夫か」と不安になる方もいるでしょう。
先に結論を書きます。保証・機構・個体の年代を先に確かめ、残った選択肢を費用と納期で選ぶ、という順番です。
この記事では、その見分け方を公式の情報にそって説明します。グランドセイコーそのものを知りたい方は、グランドセイコーがどんな時計か知るための入門からどうぞ。
- オーバーホールを出す時期の目安と不調のサイン
- 正規の作業内容と料金、預け期間の目安
- 正規と街の修理店を選ぶ4つの条件
- 出す回数を減らす日ごろのお手入れ
グランドセイコーのオーバーホールは何年ごと?

最初に、なぜオーバーホールが必要なのか、公式は何年ごとを勧めているのかを見ていきます。あわせて、出す時期を知らせる不調のサインと、保証との関係も説明します。
オーバーホールが必要な理由と放置リスク
オーバーホールが必要なのは、時計の中で部品がこすれ合い、油が少しずつ劣化するからです。グランドセイコーの取扱説明書には、使い続けると起きることが3つ書かれています。歯車に負荷がかかること、油が劣化すること、パッキンが劣化して防水性が落ちることです。
油は、歯車や軸がこすれ合うところで、動きをなめらかにする役目があります。この油が劣化すると、部品どうしがこすれやすくなります。
パッキンとは、裏ぶたやりゅうずのすき間をふさぐゴムの部品です。見た目が変わらなくても、ここが傷むと水や湿気が入りやすくなります。
3つとも、動いているあいだは外から気づきにくい変化です。だから公式は、症状が出る前の整備を勧めているわけです。
EMIRI出さなくても動いているのに、まだ必要なんですか?



動いていても、中では少しずつ傷みが進みます。取扱説明書にも、状況によってはムーブメント(時計の心臓部にあたる機械)ごとの交換が必要になると書かれています。
「壊れてから直せばよい」と考える方もいるでしょう。が、整備で済む段階と、部品を交換する段階は同じではありません。歯車への負荷は目に見えないので、動いているかどうかだけでは判断できないわけです。
さて、整備を頼むときの決まりごとがひとつあります。取扱説明書は、依頼時に純正部品を指定し、パッキンやばね棒(バンドとケースをつなぐ小さな棒)の交換もあわせて頼むよう案内しています。この点は、あとで街の修理店を考えるときにも大切です。
公式の推奨は3〜4年に一度


公式の推奨は、機種を問わず、購入から3〜4年ごとにオーバーホールを受けることです(2026年11月時点)。グランドセイコー公式のメンテナンスページに、この目安が書かれています。
電池で動くクオーツ式も、この目安の対象です。公式では、この整備を「コンプリートサービス」の名前で受け付けていて、中身はあとの章で説明します。
取扱説明書には、特に購入後3〜4年の時期に行うことが重要だと書かれています。公式が示す数字は「3〜4年」だけです。数え始めは、購入した日になります。
メーカー保証の5年は、この周期より長くなっています。つまり、保証期間のうちに、最初のオーバーホールの時期が来る計算になるわけです。保証とオーバーホールの関係は、このあとの項目で説明します。
出すときの流れは、見積もりを取り、日程を決め、預ける、という順です。預けているあいだは時計を使えません。旅行や大事な予定の前後は避けると、気持ちに余裕が生まれます。
自動巻き時計の寿命や、整備の考え方は、ブランドを問わず別の記事にまとめました。自動巻き時計の寿命とオーバーホールの考え方を読むと、グランドセイコーの周期が全体のなかでどこにあるかも分かります。この記事では、グランドセイコーをどこに出すかに話をしぼります。



購入して3年が過ぎたら、まず見積もりを取るところから始めてください。症状が出てからだと、予約も段取りも慌ただしくなります。
出す時期を知らせる不調のサイン


精度のずれ、止まりやすさ、りゅうずの重さ、ガラスの内側の曇り。販売店や買取店の解説では、これらが整備を考えるきっかけの症状として挙げられています。ここでは、自分で確かめるやり方を紹介します。
- 精度のずれ:毎朝同じ時刻に、正確な時刻と見比べて記録する
- 止まりやすさ:着けて過ごした日のうちに止まっていないか見る
- りゅうずの重さ:回すときや引くときに、引っかかりがないか見る
- ガラス内の曇り:内側が曇って、外側をふいても取れないか見る
精度は、1日あたりのずれ(日差)で見るのが基本です。スマホの時刻表示と見比べ、数日分を書き留めておくと、変化が分かります。ずれが急に大きくなったなら、相談してよい時期です。
止まりやすさは、着けているのに止まる、巻き上げても動き出さない、といった形で表れます。自動巻きなら、着けて動かしているうちは巻き上げられるので、日中に止まるなら気にしたい症状です。
りゅうずは、時刻を合わせるときの手ごたえで分かります。以前より重い、ざらつく、と感じたら、いつからかを覚えておきましょう。購入店に伝えるとき、いつから、どんな様子かを話せると、見積もりが進めやすくなります。
個人ブログの例を、事実だけ紹介します。2022年3月から4月に、街の修理店でオーバーホールをした方の記録です。整備前は1日に10〜20秒ほど遅れていて、整備後の翌日には3秒ほど進んでいました。



ひとつだけ当てはまる場合も、相談していいんでしょうか?



もちろんです。ガラスの内側の曇りは、外側をふいても取れません。見つけたら早めに相談してください。
症状に気づいたら、まず購入店かお客様相談室に連絡します。状態を伝えて、見積もりの流れを聞いておくと安心です。
保証期間内でもオーバーホールは有料
「保証が5年あるうちは、オーバーホールも無料」と思う方がいます。が、そうではありません。公式の保証ページでは、定期的なオーバーホールは保証の対象外で、有料になります(2026年11月時点)。
メーカー保証は、2021年10月1日以降に販売された時計なら、購入日から5年です。2021年1月から9月に販売された時計は、グランドセイコーサービススタジオで修理を受け付けた場合に限り5年になります。どちらも、保証登録が前提です。
| 場面 | 保証期間内の扱い |
|---|---|
| 保証期間内に出た不具合の修理 | 保証の対象(保証書を添えて依頼) |
| 定期的なオーバーホール | 有料 |
| 不具合のない機械体の修理 | 有料 |
| 電池交換 | 有料 |
| 革やシリコンのバンド | 有料 |
| 使用によるこまかな傷 | 有料 |
| 誤った使用や、不当な修理・改造による故障 | 有料 |
| 保証カードの不備や、提示がない場合 | 有料 |
表のとおり、保証の対象になるのは、保証期間内に出た不具合です。それは、正規の窓口で見てもらえます。詳しい条件は、グランドセイコー公式の保証のページで確かめられます。
他店で整備した時計の扱いは、公式の保証ページに具体的な記載がありません。「他店で直すと保証がなくなる」と言い切れる記載も、見当たりません。ただ、保証の除外には「不当な修理や改造による故障」が入っています。
保証期間内に街の修理店を考えるなら、出す前に購入店かお客様相談室へ確かめてください。何を、どの範囲で他店に頼むつもりかを伝えると、話が早く進みます。



保証が残っているうちは、不具合の相談は正規へ。定期のオーバーホールは有料と割り切る。この二本立てで考えると、迷いにくくなります。
グランドセイコー正規のオーバーホールの中身と料金


ここからは、正規のオーバーホールで何をしてもらえるのか、いくらかかり、何週間預けるのかを見ていきます。金額は、この章の「正規の料金と預け期間の目安」にまとめました。
コンプリートサービスでしてもらえること


グランドセイコーの正規のオーバーホールは、「コンプリートサービス」という名前で受け付けられています。中身は、内装修理、オーバーホール、ケースとバンドのライトポリッシュの3つです。
内装とは、時計の中身であるムーブメントを指します。ライトポリッシュは、表面を軽く磨いて、細かい傷を目立たなくする作業です。
作業は「グランドセイコーサービススタジオ」で行われます。公式の説明では、社内で認定された修理技能士が担当し、クリーンルームで作業します。修理の履歴は、購入した日から管理される仕組みです。
| 作業 | 中身 | 読者にとっての意味 |
|---|---|---|
| 内装修理 | ムーブメントの不具合を直す | 動きの不調が直る |
| オーバーホール | 分解して洗い、油を入れ直して組み立てる | 精度と動きの安定を保てる |
| ライトポリッシュ | ケースとバンドを軽く磨く | 細かい傷が目立ちにくくなる |
| パッキン交換と防水試験 | 裏ぶたを開ける修理で行う | 防水の安心につながる |
裏ぶたを開ける修理では、パッキンの交換と防水試験もあわせて行うと、公式のお手入れ案内に書かれています。防水の良しあしは、見た目では分かりません。だから、この工程が入っていることに意味があります。
裏ぶたを開けたら、パッキンを替えて試験をする。これが基本です。見えないところほど、手を抜けません。
ここで気をつけたいのが、ライトポリッシュの限界です。公式は、打痕(ぶつけたへこみ)や深い傷は取りきれない場合があると案内しています。深い傷は、別メニューの「外装リペアポリッシュ」の扱いです。
外装リペアポリッシュには、深い傷に同じ材質をレーザーで溶接して直す方法も含まれます。ただし、構造や仕上げ、素材によっては研磨できないことがあり、対象外のモデルも一部あります。金額は、次の項目にまとめました。
正規の料金と預け期間の目安
グランドセイコーの正規の料金は、グランドセイコー公式のコンプリートサービスのページに載っています。この記事で金額を書くのは、この項目だけです。表の金額はすべて税込で、2026年11月時点の数字になります。
| メニュー | 料金(税込) | 預け期間の目安 |
|---|---|---|
| コンプリートサービス(クオーツ) | 60,500円〜 | お預かりから約3〜6週間 |
| コンプリートサービス(メカニカル) | 88,000円〜 | お預かりから約3〜6週間 |
| コンプリートサービス(スプリングドライブ) | 88,000円〜 | お預かりから約3〜6週間 |
| 電池交換 | 8,800円 | 約2週間 |
| 外装リペアポリッシュ(ケース) | 50,600円 | 約4〜5週間 |
| 外装リペアポリッシュ(バンド) | 44,000円 | 約4〜5週間 |
| 外装リペアポリッシュ(ケースとバンド) | 83,600円 | 約4〜5週間 |
料金の「〜」は、最低料金という意味です。部品の交換が必要になれば、その分が加わります。
見積もりの段階で、総額を確かめてください。オンラインで申し込むときは、別に送料もかかります。外装リペアポリッシュのうち貴金属は、そのつど見積もりになります。
預け期間は、公式では「お預かりから約3〜6週間」です。時計を送る日数や、見積もりのやり取りにかかる日数は、これに含まれません。全体では、もう少し長く見ておくほうが安全でしょう。
個人ブログの例では、案内と実際の日数がずれていました。正規に出して「3か月前後」と言われたのに、約1か月で戻った例(2024年1月投稿)があります。
「3〜6週間」と案内されて、約3週間で戻った例(2025年11月)もありました。どちらも案内より早く戻った例ですが、ずれることはある、と考えておくと慌てずに済みます。
街の修理店の見積例を、比較の参考として1件だけ紹介します。2023年7月に、ヘリテージコレクションのSBGR307を修理した例が、その店のページに載っていました(掲載は同年10月)。
オーバーホールと部品の修正で総額41,000円です(2023年当時の参考値)。同じページには、部品の供給状況によっては修理を受けられない場合がある、とも書かれていました。
さて、料金の話が少し長くなりました。偉そうに書きましたが、結局のところ、金額は改定されることがあり、同じ料金で受けられるとは限りません。依頼する前に、公式ページの数字をもう一度見てください。
検証日:2026年11月
本記事の価格・相場は執筆時点(2026年11月時点)の参考値です。為替・市況により変動するため、購入・売却の判断は最新情報をご確認のうえ行ってください。
申し込み方法と受付窓口


申し込みの経路は、大きく3つあります。オンライン修理受付、購入店、お客様相談室です。
| 経路 | 向く人 | ポイント |
|---|---|---|
| オンライン修理受付 | 自宅から手軽に頼みたい人 | 24時間、パソコンやスマホから。来店は不要 |
| 購入店 | 買った店に相談したい人 | 保証期間内は保証書を添える |
| お客様相談室 | 古い個体や、窓口に迷う人 | 公式の問い合わせページから連絡 |
オンライン修理受付の流れは、次の6段階です。公式の案内にそっています。
- 専用サイトで、概算の見積もりを出す
- 届いた発送キットで、時計を送る
- 正式な見積もりを受け取る(内容や金額が変わるときは連絡が来る)
- 修理が行われる
- 支払いをする(代金引換を除く)
- 修理後の時計が返送される
受付サイトは、2025年3月25日に統合されました。グランドセイコーやクレドールなどが共通で使うサイトです。これは、2025年3月時点の公式のお知らせにもとづきます。
ブティックオンラインで買った時計は、マイページからオンライン修理を申し込めます(2025年4月30日に公開)。この購入経路の場合に限って、受取店舗の銀座店と大阪心斎橋店でも、修理を受け付けていると案内されています。どの店舗でも受け付けてもらえる、という意味ではありません。
購入店に頼むときは、保証期間内なら保証書を添えます。並行輸入品は、購入店へ相談するのが公式の案内です。お客様相談室の電話番号や受付時間は変わることがあるため、グランドセイコー公式サイトの問い合わせページで見てください。
どこで買ったかによって、窓口の選び方も変わります。購入先の種類については、グランドセイコーを買える正規店の選び方で詳しく説明しています。
再修理保証と部品の保有期間
修理のあとに同じ不具合が出たら、どうなりますか。公式のメンテナンスページには、再修理保証の決まりが書かれています(2026年11月時点)。
修理後24ヵ月以内に、同じ箇所で同じ現象が起きた場合は、無料で再修理されます。条件は、取扱説明書にそった正しい使い方をしていたことです。
再修理保証は、直したあとの安心を支える仕組みです。ただし、別の箇所の不具合や、取扱説明書どおりでない使い方で起きたものは、対象になりません。修理を受け取ったら、いつ直したかが分かる書類は、保管しておきましょう。
部品については、グランドセイコーは通常10年を保有する基準があります。生産が終わったあとも、10年を超えて長く対応する方針です。古い個体を持つ方には、心強い話です。
が、ここには続きがあります。修理では、外観の違う代替部品を使うことがあると、公式が説明しています。そのため、古い個体は、実際に預けて状態を見たうえで、修理できるかどうかが決まるわけです。



何年まで直せるんでしょうか?



「何年まで」と決まった年数は示されていません。部品の事情は個体ごとに違うので、古い個体は先にお客様相談室へ問い合わせてください。預けてから断られるより、ずっと早く見通しが立ちます。
グランドセイコーの修理は正規と街の店どちら?


この章では、正規と街の修理店のどちらに出すかを考えます。メリットと注意点、機構による違い、依頼先を決める4つの条件、見積もり前の確認事項の順に説明します。
街の修理店に出すメリットと注意点
街の修理店に出すメリットは、2つあります。費用が抑えられる傾向があること、軽い修理なら日数が短いことがある点です。ただし、どちらも買取店や修理店の解説、個人ブログの例にもとづく傾向で、すべての店に当てはまるとは言えません。
日数の例を紹介します。2022年3月から4月に街の修理店へ出した個人ブログの例では、見積もりから完了まで約2週間でした。同じ方の見積もりには、部品が入手できなければ、修理できずに返却する場合がある、とも明記されていました。
注意点は、3つあります。1つ目は、部品の供給状況によって、修理を受けられない場合があることです。メーカーへの依頼を案内される場合もあります。
2つ目は、純正以外の部品になる場合があることです。買取店などの解説では、グランドセイコーに対応していない店もある、とされています。
3つ目は、保証や防水検査の扱いが店ごとに違うことです。ある修理店のページでは、修理後の保証は原則1年で、部品が入手できない場合は保証の対象外と書かれていました。
| 項目 | 街の修理店 | 正規 |
|---|---|---|
| 費用 | ◯ 抑えられる傾向 | 公式の料金が基準 |
| 日数 | ◯ 軽い修理は短い例がある | 約3〜6週間(2026年11月時点) |
| 部品 | ✗ 供給状況で受けられない場合がある | 通常10年が基準で、長期対応の方針 |
| 保証・防水検査 | ✗ 店ごとに違う | パッキン交換と防水試験を行う |
公式に、「他店で修理すると保証が失効する」という記載はありません。ですから、そこまでは言い切りません。それでも、保証期間内かどうかは、出す前に必ず確かめたい点です。
スプリングドライブは正規に任せるのが基本


スプリングドライブ(9R系)は、ゼンマイ、電子回路、水晶振動子の3つで時を刻む機構です。ゼンマイが動力になり、水晶振動子(電気を流すと一定の間隔で震える部品)と電子回路が、動きを制御します。機械式とクオーツ式の、両方の顔を持つ機構と言えるでしょう。
買取店などの解説には、この機構の時計を街の修理店では受けない、またはほとんど受けない、という記述が複数あります。ただし、これは事業者の見解であり、「必ず断られる」とは言い切れません。
それでも、預けてから断られると、日数が無駄になります。最初から正規に見てもらうほうが、遠回りを避けられるでしょう。
クオーツ(9F系)は、電池交換の機会に裏ぶたを開けます。公式の電池交換メニューには、パッキン交換と防水検査が含まれます。つまり、電池交換と防水の点検が、ひと組になった形です。
| 機構 | 正規 | 街の修理店の傾向 |
|---|---|---|
| メカニカル(9S系) | 受付可 | 選べるが、部品の供給状況と個体の年代しだい |
| スプリングドライブ(9R系) | 受付可 | 受けない、またはほとんど受けないという解説が複数 |
| クオーツ(9F系) | 電池交換にパッキン交換と防水検査を含む | 電池交換は選べるが、防水検査の有無などは店ごとに違う |
三つの機構のなかで、街の修理店の選択肢がもっとも広いのはメカニカルです。もっとも狭いのがスプリングドライブ、という順番になります。数字で語れる話ではなく、あくまで傾向です。
スプリングドライブそのものの寿命や、長く使うための維持管理は、スプリングドライブを長く使うための維持管理にまとめました。
依頼先を決める4つの条件


結論から書きます。保証・機構・個体の年代を先に確かめ、残った選択肢を費用と納期で選びます。確かめる条件は、次の4つです。
| 確かめること | 正規が向く場合 | 街の修理店も選べる場合 |
|---|---|---|
| ① 保証期間 | 保証期間内で、保証の対象になりうる不具合がある | 保証期間が終わっている |
| ② 機構 | スプリングドライブ | メカニカルやクオーツ |
| ③ 個体の年代 | 生産が終わった古い個体(先にお客様相談室へ) | 部品を入手しやすい年代の個体 |
| ④ 費用と納期 | 保証や防水試験もまとめて頼みたい | 費用を抑えたい、軽い修理を早く直したい |
順番が大切です。①から③で、正規に出すべき人が先に分かれます。保証の対象になる不具合がある人、スプリングドライブを持つ人、古い個体を持つ人です。
残った人だけが、④の費用と納期で比べます。ただ、④は傾向までしか言えません。街の修理店は、費用が抑えられる傾向があり、軽い修理なら日数が短い例もあります。
納期の裏付けは弱く、前の項目で紹介した約2週間も、個人ブログの1件です。正規は、お預かりから約3〜6週間です(2026年11月時点)。
「安いから街の店」でも、「安心だから正規」でもありません。保証と機構と年代で、行き先の候補を絞ってから、残った選択肢を比べてください。
街の修理店で見積もり前に確認すること
街の修理店に出すと決めた方は、見積もりの前に、次の6点を聞いてください。店の名前を挙げて比べる話ではなく、どの店にも使える質問です。
- 自分のグランドセイコーの機構(9S・9R・9F)に対応しているか
- 純正部品を使うか(取扱説明書も純正部品の指定を案内している)
- 防水検査はあるか、どんな方法か
- 保証の期間と範囲はどこまでか
- 部品が入手できないとき、返却になるか、見積もりの費用はかかるか
- 総額と日数はいくらで何日か(見積書で確かめる)
たとえば純正部品かどうかは、取扱説明書が純正部品の指定を案内しているため、確かめる価値があります。防水検査は、あるかないかだけでなく、どんな方法で行うかも聞くと、店の姿勢が見えてきます。部品が入手できなかったとき、返却だけで済むのか、見積もりの費用が発生するのかも、先に聞いておくと安心です。
個人ブログの例では、街の店は「価格表がない」ことが不安につながっていました。だからこそ、総額と日数は、口頭ではなく見積書で受け取っておくと安心です。
保証期間内の方は、他店で整備した時計の扱いが公式に記載されていないため、先に購入店かお客様相談室へ確認してください。そのうえで、他店に頼むかどうかを決めます。



6点の質問に、はっきり答えてくれる店は、信頼しやすいでしょう。答えがあいまいな店は、見送る手もあります。
この6点は、公式の案内から考えた一般的な質問です。私はこのように認識しています。ここに書いたことが、すべての店に当てはまるとは限らないことを、ご了承ください。
グランドセイコーを長持ちさせる日常メンテナンス


オーバーホールに出す回数を、むやみに増やす必要はありません。この章では、日ごろのお手入れで不調を減らす方法と、自分でできることとプロに任せることの境目を説明します。
磁気・湿気・熱による不調を防ぐ


磁気は、時計の不調の原因になります。公式のお手入れ案内によると、強い磁気の影響を受けると、時計が遅れたり、進んだり、止まったりすることがあります。
スマートフォンやパソコン、ハンドバッグのマグネットなどから5〜10cm以上離すと、ほとんど影響を受けなくなるそうです。机の上や寝室に、時計を置く定位置を決めておくと、うっかり近づけるのを防げます。磁気は目に見えないぶん、置き方の習慣で防ぐのがいちばん確実です。
湿気では、パッキンが主役です。パッキンは年月とともに劣化し、防水性が下がります。
汗や汚れがたまったままだと、さびの原因になり、防水性能が失われることもあります。だから、オーバーホールのたびに、パッキン交換と防水試験を受けておくのが安心です。
入浴や水仕事のときは、時計をはずす習慣をつけると安心です。公式は、防水が10気圧や20気圧の時計でも、皮革バンドは入浴・水泳・水仕事での使用を控えるよう案内しています。
熱は、ほこりや湿気と並んで、時計の大敵だと公式が案内しています。夏の車内のように高温になる場所や、直射日光が当たる場所に長く置くのは避けましょう。皮革バンドなら、変色や変形が起きることもあります。
- スマホやパソコンから離して、時計を置く
- 汗や水分は、こまめに柔らかい布でふき取る
- 保管場所は、ほこりや湿気の少ない、日の当たらない所にする
- スマホやバッグの留め具のそばに置く
- 蛇口の水を直接かける
- 高温になる場所や、直射日光の当たる場所に置き続ける



時計を置く場所って、意外と大事なんですね。



はい。机の上で、スマホのすぐ横に置きっぱなしにしている方は、多いはずです。
耐磁性能の高いモデルを選ぶ方法もあります。耐磁性能が高いグランドセイコーのモデルで、モデルごとの違いが分かります。
自分でできるお手入れとプロの範囲


自分でできるお手入れは、多くありません。それでも、続けると不調を減らせます。公式のお手入れ案内にそって、3つを挙げます。
1つ目は、りゅうずを月に1回程度、動かすことです。さびつきを防ぐためで、引かずに空回しします。ねじロック式の場合は、ロックを外してから空回しします。
2つ目は、柔らかい布で汗や汚れをふき取ることです。裏ぶたの周りやバンドのすき間は、乾いた柔らかいナイロンブラシで、汚れをかき出します。3つ目は、保管場所を決めておくことです。
| 自分でできること | プロに任せること |
|---|---|
| りゅうずを月1回程度、引かずに空回しする | 裏ぶたを開ける作業 |
| 柔らかい布で、汗や汚れをふき取る | パッキンの交換 |
| 乾いたナイロンブラシで、すき間の汚れを払う | 防水試験 |
| 保管場所を決める | 分解掃除(オーバーホール) |
裏ぶたを開ける作業、パッキンの交換、防水試験、分解掃除は、プロの範囲です。自分で裏ぶたを開けたくなっても、ここは我慢してください。防水の状態は見た目では分からず、一度ずれると元に戻すのが大変だからです。
深い傷が気になる場合も、自分で磨いて消そうとはしないでください。前に説明した外装リペアポリッシュなど、公式のメニューに戻して相談します。
お手入れは、毎日少しずつ。分解は、年に一度ではなく、数年に一度。この役割分担が、時計を長持ちさせます。
時計用のクロスや保管ケースなど、日ごろのお手入れ用品は、通販で手に入ります。
よくある質問
グランドセイコーのオーバーホールに出さないと、どうなりますか?
油の劣化や歯車への負荷が積み重なり、精度のずれや停止が起きやすくなります。パッキンが劣化すれば防水性も落ちるのです。
状況によってはムーブメントの交換が必要になると、取扱説明書に書かれています。公式は購入から3〜4年ごとの整備を勧めています(2026年11月時点)。
グランドセイコーのスプリングドライブは、街の修理店でオーバーホールできますか?
街の修理店では受けない、またはほとんど受けないという解説が複数あります。ただし事業者の見解で、すべての店に当てはまるとは言えません。
電子回路も使う機構なので、まず正規に相談するのが基本です。預けてから断られる遠回りも避けられます。
生産が終わったグランドセイコーは、何年まで修理に出せますか?
公式は、部品を通常10年保有し、生産終了後も10年を超えて長く対応する方針と説明しています(2026年11月時点)。ただし外観の違う代替部品を使う場合があり、可否は預けて状態を見てから決まります。古い個体は先にお客様相談室へ問い合わせてください。
グランドセイコーを正規のオーバーホールに出すと、どのくらい待ちますか?
公式は「お預かりから約3〜6週間」と案内しています(2026年11月時点)。時計を送る日数や見積もりのやり取りは、別に数えます。個人ブログの例では、案内より早く戻った例もありますが、日数はずれることがあると考えておくと安心です。
グランドセイコーのオーバーホールの依頼先まとめ
ここまでで、オーバーホールの時期、正規の中身と料金、街の修理店との違い、日ごろのお手入れを見てきました。結論は、保証・機構・個体の年代を先に確かめ、残った選択肢を費用と納期で選ぶ、ということです。
整備にかける費用は、売るときの価値と合わせて考えると判断しやすくなります。売却時の目安は、グランドセイコーのリセールバリューが高い機種で確かめられます。



金額や日数の話が続いて、少し疲れたかもしれませんね。が、出す前に条件を確かめておけば、見積もりを見て慌てることはありません。あなたのグランドセイコーに合った依頼先を、ゆっくり選んでください。
- 購入から3〜4年ごとのオーバーホールが、公式の推奨周期だと機種を問わず押さえておく
- 精度のずれ、止まりやすさ、りゅうずの重さ、ガラスの曇りが出たら、早めに購入店へ相談する
- メーカー保証の5年以内でも、定期的なオーバーホールは有料になるものと理解しておく
- 保証期間内に不具合が出たときは、保証書を添えて購入店か正規の窓口へまず相談しておく
- コンプリートサービスには、オーバーホールと内装修理とライトポリッシュが含まれると知る
- 公式の料金は2026年11月時点の最低料金だと理解し、見積もりで総額をしっかり確かめる
- 部品交換が必要なときは追加分がかかるため、見積もりで内訳と合計を忘れずに確かめる
- 預け期間は公式でお預かりから約3〜6週間(2026年11月時点)、送る日数は別に見込む
- 申し込みはオンライン修理受付か購入店で、保証期間内なら保証書を添えて依頼するのが基本
- 再修理保証は修理後24ヵ月以内の同じ箇所と同じ症状が対象で、正しい使用が条件になる
- 古い個体は部品の事情で受けられない場合があるため、先にお客様相談室へ問い合わせる
- スプリングドライブは街の修理店で断られる傾向があるため、まず正規に任せるのが基本
- 依頼先は保証期間、機構、個体の年代の順に確かめ、最後に費用と納期を見比べて選ぶようにする
- 街の修理店には、純正部品か、防水検査の有無と保証の範囲を、見積もり前に必ず聞いておく
- 磁気は5〜10cm以上離し、りゅうずは月1回程度動かすなど、日々のお手入れで不調を減らす
グランドセイコーの依頼先は、保証、機構、個体の年代の3つで候補を絞り、最後に費用と納期で選びます。スプリングドライブと古い個体は、まず正規かお客様相談室へ相談してください。磁気や湿気に気をつけた日ごろのお手入れで、オーバーホールに出す回数も落ち着きます。
ここまで読んで、機構の寿命や買った店の選び方も気になった方に、あわせて読んでおきたい記事を紹介します。整備の判断材料を、さらに広げられるでしょう。










